神たちの本音 異世界転生多いよね!


神0:「えーっと、じゃあ異世界に転生が流行ってるから俺たちは消滅の危機にある

   ってことでしょうか?」


再び逆さに吊るされた神0が神たちの顔色を伺うように訪ねる。

いくら無法者の神0と言えど日に何回も逆さづりにされたくはない。


神13:「簡単にまとめるとそうです。異世界転生や召喚が流行り、地球に所属する魂

    の輪廻が正しく回っていないのです。魂を正しく導くことは我々神の仕事で

    あり、その為に我々が存在していると言ってもいいでしょう。」


神0:「それって完全にあんたらのせいじゃん。自分の世界に所属する魂の輪廻くら 

   いちゃんと見といてやれよ。」


と言うが早いが一発喰らう神0。

もはや救いようがない。

口は災いの元とはよく言ったものだ。


神46:「いや、君もこの世界を管理してる神の一柱だからね?」


神13:「そうです。それに決して我々の管理不足という訳ではありません。」


そうこう言っている間に異世界へと導かる魂が一つ。

その魂は神たちが見ている前を通りすぎどこかへの世界へと消えていった。


神13:「はぁ、またですか。現代ではラノベというジャンルで異世界に転生、もし

    くは召喚され活躍するといった物語が流行っているのです。そのため、人の

    子たちの多くは異世界に憧れているのです。」


神0:「流行ってたり憧れて足りがなんか問題あんの?」


神13:「あなたは今まで何を学んでいたのですか?魂が正しく輪廻転生するにはそ

    の魂がその世界に根付いていることが前提条件なのです。」


神13は神0の体に巻き付いた縄をほどいてやりながら説明を続ける。

勉学にはふさわしくない姿勢と判断したのだろう。

もっとも吊るしたのも神13なのだが、、、、。


神13:「異世界に憧れるという事は言い返せばこの世界を好いていないと言う事な

    のです。つまりはこの世界に根付いていない。それを他の世界の神たちがい 

    いように自分の世界へと引き抜いていくのです。」


神0:「つまり、他の世界の神が俺たちの世界の魂を引き抜いているから俺たちがさ

   ぼってるって思われてるわけ?」


神13:「本来であれば神同士の同意が必要になるのですが世界に根付いていない魂

    はその世界に所属しているとはみなされず、我々に無断で引き抜かれてしま

    います。信仰心を持たない人が増えたことも原因の一つでしょう。我々も以

    前ほどの力を持っておらず力づくで止めることもできないのです。」


神13の言葉に他の神たちも同意を示すかのように激しく頷いていたり異世界の神を呪う言葉を吐いている神すらいる。


神0:「えっ、じゃあどうしようもねぇじゃん。どうすんだよ?」


神13:「どうにもできません。それに神のミスによって死んでしまい、異世界に転生

    するといったケースが増えたことも大神様のお怒りに触れたのでしょう。」


神33:「まったくだぜ、俺たち神がそう簡単にミスするかっての。」

神3:「いわれなき中傷とはまさにこのことじゃな。」

神11:「そんなのんびり構えている余裕はなさそうですよ。」


何の解決策も思いつかないまま時間だが過ぎてゆく。

永遠を生きる神からすれば地上で流行る出来事など一瞬だ。

だがその一瞬がこのように世界の命運を左右することが多々ある。

そのことを身をもって知っている神たちは神ゆえに黙って見守る事しかできない。


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