自殺した僕

僕は今日死んだ。

学校の屋上からの飛び降りである。

それなのに地面に横たわる僕の身体を見下ろす僕がいる。

周りからは悲鳴が飛び交うも誰も僕に気付かない。

「あなたは不幸者ね?」

背後に淡いピンクのミニの着物に身を包んだ顔に狐の面を付けた少女がいつのまにか立っている。

誰?不幸者?

「どんな理由があるにしてもあなたを育ててくれたご両親はさぞかし悲しんでるわ」

何を言っている!

僕が虐めを受けていても見向きもしなかった父も母も学校の先生も悲しんでなんかいないに決まってる。

そうこうしている内に救急車が到着すると僕の身体は担架に乗せられて運ばれていく。

「あなたはこの学校の主の許しを得るまで学校の七不思議として働かなくてはいけないわ」

少女稲荷はそう答える。

働く?

「屋上の怪談なんてどうかしら?内容はあなたにお任せするわ」

ちょっと待て!

学校の主?

働くってどういうことだ!

「頑張れば数百年後には成仏できるわ」

稲荷はそう言い残すと去っていく。

少年はただ呆然と立ち尽くす。

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