がらんどう
不要になった私が無感情に剥離する。家鳴りの言いなり、真っ裸。君が産んだんだ、と水溜まり。知っていた。知っていた? いいえ、いいえ。自分のことに興味が無いんだろう。ね、そんなこと。眼精疲労。目薬がわりの墨汁。てん、てん。隣人は別れのうたを歌っている。深層で見つけて。昨日、浴槽を満たす蜘蛛が一斉に咲きました。インスタントコーヒーを分け与えると彼らは泣いて喜び、そして消滅していった。なんて、はかない。描いてくれるひとがいないと、私は私でいられない。苦痛のエンプティ。普通の生活は遠ざかる。押し出されていく、おしだされていく。コロンと落ちたのは凝縮された私の元気。悲しくもないのに涙が止まらなくて玄関に寝そべって死んだふりをしてみた。君はまだ、帰ってこない。
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