チャプター00 【RESULT】

【ザッハトルテ宙域】


・な、何が起こったんだ? ←

・すごい……。


 ―――遠くに小さな影が見える。ストルガとはまた別の『あざらし』だ。

 全身に電撃のような光を纏っており、途轍もない力を感じる……!


ストルガ「おぉ……!! 我らが王よ! よくぞ、よくぞ戻られました……!」


・ストルガ、あのあざらしは誰? ←

・『我らが王』?


ストルガ「そうだッ。あの方こそ、我らがあざらしの王!! 万夫不当にして究極無敵の大英雄、銀河最強の生命体、白き狩人、雷霆と共に生まれし勇者王、空前絶後の唯一神、夜と嵐を統べる者、黒銀卿、鉄風雷火の主、十天の征服者、四海を呑む魔剣、地平を踏みしだく猛牛、鉄塔の巨人、翳り無き太陽、遍く臣民の模範、虚空を喰らう蛇、氷獄の軍団長、怒れる極光、星幽の瞳、厄災の爪牙、宇宙太閤、龍殺しの旗手、三千世界の鏖殺者、自由闊達なる戦槍、くろがねの心臓、封神執行者、獣の中の獣、逃れ得ぬ死の翼、絶対の一!!」


ストルガ「永世森羅万象皇帝、アリュゾホート・マグサリナス・ゴマ=ゴマフであるぞ!!」


・は、はぁ……。 ←

・そんなすごいあざらしが居るんだね!


ましろ「……そのナントカっていう方が、私たちを助けてくれたんですか?」


ストルガ「ゴマ=ゴマフ様だ。―――しかし、それにしても……。」


ストルガ「S級クリプティッドは、こちらのゴマ様や勇者と同じ、連中にとっての切り札にあたる。あのデカブツどもは攻めても強いが、本領は営巣地ハイヴ、つまり自陣の拠点の防衛だ。こんな後方に単騎で突っ込んでくるなんて普通じゃない。」


・原因はわかるのか? ←

・……単なる気まぐれでは?


ストルガ「どうも、あのカエル面の勇者……お前と同じ指揮官型コマンダーのポコジャミが、無茶な侵攻計画を強行したようだ。」


ストルガ「奴の作戦が『ジャガーノート』を刺激した可能性は高い。確実ではないが、まぁ、十中八九間違いないってとこだな。」


通信〈───……! ……、───……〉


ストルガ「ゴーディか。ちょうどよかった。」


ストルガ「司令部CP、おれだ、ストルガだ。第642小隊。あざらし2名を損失したが、勇者どもは健在。」


ゴーディ〈……そうか、お前たちは生き残ったのだな。〉


ゴーディ〈初陣から災難だったが、ひとまず無事で何よりだ。〉


ストルガ「おい。感傷に浸っている時間は無いぞ。ゴーディ、ポコジャミの件で話がある。あれは司令官のお前の責任でもあるだろう。」


ゴーディ〈なに?〉


 ストルガは事情を説明した……。


ゴーディ〈なるほど……。〉


ゴーディ〈……謝罪の言葉はポコジャミから聞いて欲しいところだが、それについては私も一部、責任を引き受ける。〉


ゴーディ〈さておき、モビー・ディックはしばらく前線から外れることとなる。しかし、ジャガーノートを倒した以上、敵の追手が来ることは覚悟しなければ。〉


ゴーディ〈次にS級が出現したら、その時は……またゴマ=ゴマフが助けに来てくれるかもわからん。今回の損害を補填して、万全の戦力が整うまでは、絶対に正面から戦わない方針とする。〉


ゴーディ〈第642小隊、今は母艦へと帰投せよ。適切な休息もまた兵士の務めである。〉


・了解! ←

・実は、腰が抜けて立てなくて……。


ましろ「あの……。ゴマ=ゴマフさんは? 仲間じゃないんですか? それなら、一緒に来てもらった方が……。」


ストルガ「ゴマ様は誰にも従わんし、どんな規律にも縛られん。王が我々を助けることは無い。」


ストルガ「お前たちは運が良かったのだ。あの方ほどではないにせよ、勇者は貴重な戦力だからな。みすみす失うわけにはいかんと考えておられるのだろう。」


ましろ「……ずいぶん、薄情な王様ですね。民衆を守るのが、王の役目じゃないんですか。」


ストルガ「それは違う。あの方はすべてのあざらしの守護聖獣ではあるが、そもそもあざらしおれたちは赤子の一匹に至るまで全員が兵士であり戦士だ。それぞれ形は違えど、誰もが皆、己が使命に従って戦い続けている。」


ストルガ「王は無用な施しをしない。それはおれたち民の糧と誇りを奪う行いだからな。」


(咆哮)


 一際大きな叫び声を挙げると、ゴマ=ゴマフは流星のように飛び去っていった……。


ゴーディ〈ふむ。ストルガ、つい先ほどゴマ=ゴマフから接触があった。〉


ゴーディ〈今からジャガーノートが統括していたハイヴに進攻し、勇者部隊を救出に向かうそうだ。死んでいなければ、回収した勇者はモビー・ディックに帰還させると。〉


ストルガ「だろうな。王は無慈悲だが律儀なお方だ。そのくらいはやってのけるだろう。」


ゴーディ〈―――■■君。〉


・どうしました? ←

・えぇっ、何?


ゴーディ〈指揮官型コマンダーは、普通の勇者に輪をかけて数が少ない。これより戻ってきたポコジャミをした後は、君がモビー・ディック唯一の勇者部隊指揮官になる。〉


ゴーディ〈厳しい戦いになるだろうが、どうか諦めずに頑張って欲しい。アニマルバースの平和は君たちにかかっている。〉


ゴーディ〈通信は以上だ。さぁ、早く帰還して傷を癒したまえ。次の戦いが待っているぞ!〉



【拠点1F 医務室】


マーロン「はい、これで手当は完了です~。」


マーロン「……出来ることはやりましたけど~……。S級クリプティッドと戦ってこの程度の傷で済むなんて、奇跡みたいなものですよぉ? ゴマ=ゴマフが来なければ、どうなってたことか。」


マーロン「ましろさん共々、しばらくは絶対安静です。ゆっくり休んでください、ね?」



・ふぅ……。 ←

・あいたたた……。


ましろ「…………。」


ましろ「……、……。……あの。」


・どうしたの? ←

・何だか眠くなってきたなぁ。


ましろ「えっと……その、さっき……。」


ましろ「―――助けていただいて、ありがとうございました。」


・どういたしまして。

・そんなことしたっけ? ←


ましろ「えぇ。あの怪物がやってきて、何もかも滅茶苦茶にし始めた時……怪我した私を連れて、逃げようとしてくれたじゃないですか。」


ましろ「ゴマ=ゴマフが戦っている間も……。先輩と一緒に距離を稼いでなかったら、ビームとか爆発に巻き込まれて、ただじゃ済まなかったと思います。」


ましろ「それに、ストルガさんまで助けようとしてましたよね。……凄いと思います、そういうの。」


・大したことはしてない。見過ごせなかっただけだよ。

・……『先輩』? ←


ましろ「……、……あっ。あ……! ちが、これはその、つい……!」


ましろ「た、たぶん一つか二つ、年上かなと思って。ごめんなさい、私、勝手に―――」


・別にいいよ、ましろ。 ←

・『先輩』はやめろ。『ご主人様』と呼べ。


ましろ「~~~っ……! は……はい。すみません……。」


ましろ「……。……、何というか……。長い付き合いになりそうですね、私たち。」


ましろ「勇者部隊の指揮官に、なるんでしょう?」


ましろ「―――これからよろしくお願いします、先輩。」



 チャプター00: 勇者召喚 【CLEAR!】


・錫宮ましろが仲間になりました。

・おさかな×30を獲得!

・『部隊編成』が解放されました。

・『勇者召喚』が解放されました。

・『ラボラトリー』が解放されました。

・『ショップ』が解放されました。

・『アーカイブ』が解放されました。

・アーカイブに『チャプター00』が追加されました。

・アーカイブに『ムービー01』が追加されました。



【NEXT: Coming Soon・・・】

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

AZARASHI UNIVERSE:Over link ごまぬん。 @Goma_Gomaph

★で称える

この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。

カクヨムを、もっと楽しもう

この小説のおすすめレビューを見る

この小説のタグ