チュートリアル
ストルガ「では、次だ。お前には今から適性検査を受けてもらう。切った張ったの殺し合いが嫌だというなら、せいぜい安全な後方勤務に就けるよう祈っておくことだ。」
▽
【拠点1F ラボラトリー】
ストルガ「ドクター、失礼する。」
???「どうぞ~。」
ストルガ「紹介しよう。彼はこの前線基地『モビー・ディック』における研究主任兼軍医長、Dr.マーロンだ。ゴーディ司令と並び、お前たち勇者を召喚するKETERシステムの管理者でもある。これからよく世話になるだろう、挨拶は丁重にな。」
部屋に入ると、灰色のオオカミの獣人が居た。
マーロン「新しい勇者さんですか? はじめまして、僕はマーロン。ドクターと呼んでください。よろしくお願いします〜。」
・よろしくお願いします。 ←
・オオカミの医者?
マーロン「はぁい。いきなり連れてこられて大変だとは思いますが、皆さんが無事に元の世界に帰れるよう、僕も精一杯サポートしますので〜。頑張ってくださいね〜。」
ストルガ「いきなりってこともないだろう、ドクター。KETERに余計な制約をつけたのはあんたの発案だ。おかげで召喚の効率が悪くなった。」
マーロン「でも、戦果は上がっていますよねぇ? 戦いが怖いって人を無理やり戦わせるのは、かわいそうです〜。」
ストルガ「フン……、まぁいい。ドクター、そんなことよりこいつの適性試験をやってくれ。」
マーロン「わかりました〜。では、えぇと……。」
・■■です。 ←
・■■だぜ!
マーロン「■■さん! 良いお名前です〜。じゃあさっそく、この端末に手を置いてもらえますか?」
(TOUCH!)
液晶画面が緑色に光った……。
ストルガ「───ほう?」
マーロン「わぁ〜。」
ストルガ「珍しいな。
・
・珍しい?
ストルガ「そうだ。お前には指揮官の素養があるらしい。お前と同じ、異世界からの勇者で構成された部隊の指揮を任せることになるだろう。」
・わかった。やってみよう。
・あまり自信が無いな……。 ←
ストルガ「大したことはしなくていい。お前のやることは、おれたち上官の命令を把握し、勇者どもに言って聞かせるだけだ。」
ストルガ「どうも勇者の連中は、おれのようなあざらしに指図されるのが気に食わん奴が多いらしくてな。」
マーロン「ストルガさんたちも、雰囲気は怖いですけど、皆さんの力を最大限発揮できるよう作戦を考えてますからね〜。」
マーロン「そうそう、実は僕ら医者だって大変だったりするんですよ。本当は何でも、プロの言うことを素直に聞いてくれるのが一番なんですが……やっぱり、種族が違うと信用してもらえないのかなぁ。」
ストルガ「何だ、そんなこと考えてたのかドクター? あの筐体鋳造の上申は……。」
マーロン「医療者は信用が第一ですから〜。■■さんも、怪我したり病気になった時は、すぐに僕に教えてくださいねぇ。死んでなければきっと治してみせますよ〜。」
ストルガ「うむ、ドクターへの挨拶はこのくらいでいいだろう。」
ストルガ「次はお前が率い、共に戦うことになる勇者どもとの顔合わせだ。行くぞ。」
▽
【拠点2F 廊下】
ストルガ「さて。お前が率いる勇者部隊の精鋭たちがこの部屋に……と言いたいところだが、今はどこの戦線も兵士が足りていなくてな。」
ストルガ「指揮官にはKETERを限定的に運用する権限が与えられるとはいえ、お前に勇者召喚はまだ早い。当面は数人の仲間……つまりは小隊と一緒に、一兵卒としてクリプティッドとの戦闘に参加してもらう。」
ストルガ「なに、おれたちも貴重な
ストルガ「さぁ、着いたぞ。入れ。」
▽
【拠点2F ブリーフィングルーム】
部屋の中に誰か居る……。
???「……人間?」
女の子だ。比較的小柄だが、年齢は高校生くらいだろうか。ウェーブのかかった銀髪のショートカットに、紫色の瞳が特徴的だった。
ストルガ「……む? 何だ、お前1匹か? 他の勇者はどうした。」
少女「知りませんよ。そちらの手違いでしょう。」
ストルガ「チッ……、ポコジャミの仕業だな。あのカエル野郎め。少し確認を取ってくる。」
ストルガは退室した。電話でもしているのか、外から話し声が聞こえてくる。
少女「……。……あの、すみません。あなたも『勇者』なんですか?」
・うん、そうみたい。 ←
・誰だ君は?
少女「やっぱり……。───あぁ、はじめまして。私、
ましろ「よかった、って言うべきなのかな。あの変な"夢"を見たの、私だけじゃなかったんだ。」
・夢? ←
・本当だね。仲間が居てよかった。
ましろ「? えぇ、夢の中にアザラシたちが出てきて、お前を勇者にしてやるって。異世界に召喚されるって話をされました。」
ましろ「私は……、その。勇者がどうとかは、ピンと来なかったですけど……、個人的な事情があって。思わず同意を……。」
ましろ「……あなたはどうして勇者に?」
自己紹介と事情の説明をした……。
ましろ「記憶が……、なるほど。それは大変ですね。」
ましろ「まぁ何にせよ、このふざけた状況から抜け出すには、私たちで協力せざるを得ないでしょう。よろしくお願いします、■■さ───」
(爆発音)
ましろ「!?」
物々しい警報音が鳴り始めた……!
ましろ「何が起こって……!」
ストルガ「お前たち! 無事か!?」
・無事です! ←
・転んで頭を打った! 痛い!
ストルガ「そうか、ならいい。何となくわかってるとは思うが───」
ストルガ「奴らが来たぞ!! 『
▽
【出撃ハンガー】
ましろ「どうなってるんですか?」
ストルガ「文句はポコジャミのクソ野郎に言ってくれ。奴が武勲欲しさにクリプティッドの
ストルガ「今回の襲撃はその報復ってとこだろう。クリプティッドの行動原理はよくわかってないが、少なくとも攻撃に対してやり返すくらいの頭はあるからな。」
ストルガ「ポコジャミは後で処刑確定として……しかしその前に、おれたちはモビー・ディックを守らなきゃならん。いま戦える勇者はお前らだけだ。」
・それなら仕方ない。行こう。
・訓練も無しにいきなり実戦か? ←
ストルガ「ほう。慎重なのは良いことだ、やはりお前は素質がある。指揮官の仕事は何より、自分が生き残ることが大切だからな。」
ストルガ「お前の心配はもっともだが、おれたちあざらしが居るのを忘れちゃいないか? そもそもお前ら勇者は少数派だ。」
ストルガ「あざらし軍の基本単位は3匹1組のスリーマンセル、それが前衛と後衛で2つ。合計6匹の小隊だ。」
ストルガ「今回はおれが小隊長になって、前衛で指揮を執る。お前ら2匹は後衛に回して、さらに護衛のあざらしを付けるから、勉強のつもりでおれの尻に食いついてくるだけでいい。」
ストルガ「あざらし軍の武器を持たせる以上は、もちろんお前たちにも戦ってもらうが……無理はするなよ。せっかく召喚した勇者を早々に潰したくはない。」
ストルガ「さぁ───ヒヨッコども!! 記念すべき初出撃だ!!」
▽
【戦闘!】
○WAVE 1/2
・ケサランパサラン×3
○WAVE 2/2
・ビッグフット
【リザルト】
WIN!!
EXP+30 GOMAPAY+50
獲得アイテム:猿人の緋毛
指揮官レベルアップ!
APが全回復しました。
APの最大値が上昇しました。
フレンドの登録可能人数が増加しました。
▽
【ザッハトルテ宙域】
ストルガ「戦闘終了だ。よくやった、ヒヨッコども。まぁ、この程度、簡単にこなしてくれなきゃ困るけどな。」
ましろ「はぁっ……、はぁっ……!」
・大丈夫? ←
・つ、疲れた……。
ましろ「ぁ……。……ふぅ、っ。はい……。なんとか。ご心配どうも……。」
ストルガ「では帰投するぞ。他の部隊は既に撤収を始めている。我々も早く戻らなければ、
支給された通信機から、声が聞こえる……。
機械音声〈警告。警告。
ストルガ「……バカな!? くっ、亜空間戦闘部隊は何をやってるんだ!」
通信手〈そ、それが……そんな、信じられない。この反応は───〉
ましろ「今度は一体何です!?」
通信手〈え……え、S級クリプティッド『ジャガーノート』ですッ!!〉
ストルガ「S級だと!? どうしてこの宙域に……!!」
(咆哮)
▽
【戦闘!】
○WAVE 1/1
・ジャガーノート
【リザルト】
LOSE・・・
▽
【ザッハトルテ宙域】
ストルガ「ぐっ……、うぅ……。」
・ストルガ! ←
・もう……ダメだ……。
ましろ「あ……っ、ぅ、あ……!」
ストルガ「に……逃げろ……。ヒヨッコども……。」
ストルガ「モビー・ディックに……逃げ込めれば、まだ、希望はある……。あの艦なら……ワープで、離脱できるはず……。」
・……あなたを置いていくことなんて出来ない。 ←
・……わかった。行こう、みんな。
ストルガ「バカが……!! 言っただろう。指揮官の仕事は、自分の命を守ることだ! お前が死んだら、誰が勇者部隊を運用する……!? 残されたマシロはどうなるんだっ。」
ましろ「ストルガ……。」
ストルガ「いいから行け!! ここは……おれが、意地でも食い止める……!」
▽
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