第9話 私の遺伝
海外から私たちの元へ侵略を企てやってくる生物を外来種と呼ぼう。そうしたら、私たちの地域の別の場所から私の所へ来る生物のことを内来種と呼ぼう。つまり君のことだ。他の生物に外来種・在来種の力関係が適応されて、我々人間には適応されないというのはないだろう。
私の地域にある研究所から漏れ出た愚かな君(内来種)は私の町を我が物顔で闊歩し、喚き散らかすピューリタン。すこぶる迷惑な話だ。君は我々の伝統を犯し、生活を破壊しようとする侵略的内来種だ。そして君が私の町でつがいを作り子を産んだものならそれは遺伝子汚染だ。私の独特な遺伝子が君によって穢される。そして徐々にその負の連鎖は続き私は薄くなってしまう。止めなければならない、君を。この町から駆逐するのだ。さようなら。傲慢な君。私の町を自らのものにしようとする君。意図せず内来種となった君も。可哀想な哀れな君も。
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