第2話 「再び血を流す覚悟はあるか」プロローグ

 果たして現代人は戦いの強迫の末、肉を貫かれ、自分の安泰な世界を血に染められなおも正気にそこに立っていられるのだろうか。

 二十一世紀の終わり、僕は二十世紀の再来とも言える出来事をこの生活に対する強迫の発端として観測した。「観測した」というのは僕が前述の類の人間に含まれず、その出来事に対して正気を保ったということだ。普段に我々がニュースで事件を何の気持ちもなく「観測」するように。

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