有る筈無いのに在るなら或いは
奇麗な紅い空を見ながら
ゆったりとした歩調で君に逢いに行く
久しぶりの休日なのに
何もせずに時が経つ
君に話すことなんて本当は何も無いのに
もう二度と外に出ることのない
君のために世界を騙る
昨日はこんな日だったんだ
今日もいい一日だった
未来すら語れず
夢も見られない
そんなつまらない僕を
曖昧な笑顔で受け流す君を思い出す
草木の隙間から反響する
ジリリリリという虫の声も
頭に残らず抜けていく
重い足を引き摺って
帰りたい心を騙す
いいことなんて何も無い
悪い事が当たり前
誰も僕を肯定しないし
誰も僕を許容しない
そんな事ばかり思うから
君に明日を話せないんだ
責任なんて負えないのに
責任者を押し付けられて
指導なんてされてないのに
指導者に指名される
明日はどんなミスをするのかな
一年後は何人辞職するんだろう
細い管に繋がれた君に
僕はどんな色の景色
見せてあげればいいんだろう
面会半刻前を狙って
いつも通り曖昧に
仮面を被って
嘘をつく
ごめんね
仕事が忙しくて
存在不可逆的35%のパラドクス 藍詠ニア @Lene_tia
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