第2話 悪夢~トラウマという枷
幼くして遊郭に身を堕としただけあって、成長しても男に目を付けられる。男たちは余程鼻が利くと見える…。
トラウマという形で私は枷をかけられて、反抗出来ぬと思ったらやりたい放題…。目に見えない枷は、男たちには見えていたのだろうか…。
私から見たら立派な職業に就こうが、腐敗した人間に何一つ変わらない。教師に胸を触られ、卑猥な言葉を浴びせられる。身体が強張り、声も出ない。見えない枷は、私を苦しめる。抵抗できない人間が悪いのか。性の対象である自分が悪いのか。
涙一つ流せない…。身体は震えているのに、怖いのに。
誰もいない空間で、ようやく涙が溢れる。声にならない声で、泣き叫ぶ。誰か、私の枷を取っ払ってと…。
友人には決して言えない。言ってはいけない。私はいつも通り笑顔のお面をつけて、談笑する。これでいつも通りの日常が崩れることはないのだから…。
もう少し、もう少しだけ待ち人を待っていて…。私が私を必ず救ってみせるから。格子の内側で、感情すら無くなった小さい私が冷めた目で見ている。
男の一時の快楽のために、一人の人間の人生が犠牲になった。
無力な人間が悪いのか。力ない人間が悪いのか。
華散る頃、現世にて貴方の影を探す… @KaiLu24
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