第9話
僕の理性は欲望に負けた。
直に触りたい気持ちが抑えきれず、ゆっくりとシャツを捲りあげ、スウェットの中に手を滑らせていく。
ボクサーパンツの上から触ってみると、スウェットの上からの時と違い形がハッキリと分かり、温もりもピクピクッと脈打つ動きも一段と感じる。
「ああー 海のて・・・こんな大きさでこんな形してるんだ」
壊れ物でも触るかのように優しく触っている、だけどその動きとは裏腹に内心ドキドキが止まらず、いつ起きてしまうだろうか・・・と心配していた。
最後の一枚・・・ 下着のゴムと肌の間に指を差し込む、ゴムがまるで拒むかのように指を押さえつけてくる。
ゆっくりと下着の中へと吸い込まれていく手・・・ とうとう直にこの手で海のモノに触れている。
自分も同じモノを持っていて慣れているはずなのに、それとは全く違うモノのような感じがした。
温かくて、手を動かす度に「ここにいるぞ」と言わんばかりに動き、茂みに指が絡みつく、花の蕾のようだったモノを掌で下へと引っ張ると蕾が開き、隠し守っていた花が顔を出した。
僕は、幸せ感と充実感に包まれ何時の間にか眠ってしまっていた。
朝になって目が覚めると
「おはよう」と海が歯磨きをしながら言った。
僕は、昨夜の事を海は知っているのかな・・・と不安が頭をよぎったけど、いつもと変わらないように、昨夜は何も無かったかのように
「おはよう」と普通を装った、初めは真面に海の顔すら見れなかったが、時間が経つにつれて海は気づいていないんだなと思え、いつもと変わらず笑顔で話せるようになった。
しかし頭の片隅では、先に起きていたのは海・・・ あの状態のまま寝てしまった僕の手はどうなっていたのだろう・・・ あのままだったのか・・・それとも寝返りなどで離れていたのだろうか・・・。
海の態度がいつも通りなので、海の態度からは何も推測することが出来なかった。
だから僕も、できるだけいつもと変わらないように、何も悟られないように接した。
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