第7話

 銭湯からの帰り道、弁当を買って部屋へと戻ってきた。


 テレビを見ながら弁当を食べていた、今までは弁当を食べ終わると寝ていたのだが、今日は今までと違ってもう少しラリりたいと思って・・・

「なぁ、海。まだ残ってる?」と聞くと。

「うん、もう少しなら」

「じゃー、それやっていい?」

 海は笑って「ええよ、持ってくるわな」と言って取りに行ってくれた。

 なんだか今日はいつもと違い、もう少し弾けたい感じになっていたんだけど・・・自分でも、何故なのか分からなかった。

 もしかしたら、海と二人だけで弾けて何かを期待していたのかもしれない・・・

 一時間ほど楽しんでいたが、期待していた何かは起こらなかった。

 当然かも知れない、海は僕よりも使用歴は長くそうそう乱れる事はなかったのだから。

 明日も学校なので、僕達は寝ることにし何時ものように一つの布団に入って眠ろうとしたが、僕はなかなか寝付けなかった。

 横を見ると、月の薄明かりの中スヤスヤと眠る海の横顔が・・・

 僕は、自分の腕を枕にし海の方へと身体を横に向けた、目の前には大好きな海が・・・

 海をジッと見つめていると、こうして一緒にいる事に幸せを感じる。

 何故だろう・・・ 今日に限ってこの想いが・・・ この想いを抑えることができなかった。


 僕は上半身を起こし、海の顔を見下ろした・・・ そしてゆっくりと顔を近づけてゆく・・・。

 海は起きる気配は無い、僕はそのまま海の頬にキスをした。

 ラリっている時には、普通に口と口でキスをしたりしているのだが、その時は思考も理性もなくやっているので、これと言って何も思わなかったが・・・

 今、海にした頬へのキスは「大好き」といった自分の気持ちが込められたキスだったので、なんだか照れくさく気持ちが高揚した。

 暫く海の顔を見下ろしていた・・・ そしてそっと身体を寝かし、起こさないようにそっと腕を腰の辺りにまわして抱きしめた。

 何時ものおふざけで抱きしめているのとは違い、愛情を込めたハグのようにギュッと抱きしめた。 そして・・・




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