第6話

 海と初めて出会ってからどれくらいの日々が過ぎていったのだろう、今や僕にとって海と会えない日があるのがとても辛かった。

 一人、布団に入って寝るのが寂しくて寒く感じ、海の肌の温もりが恋しくてたまらなくなる。

 海の家も僕の家も片親という事もあって、客用布団などが有る訳もなく、僕達はお互いが泊まりに来た時は一つの布団で一緒に寝ていた。

 暑い夏は流石に離れたりしていた、だから僕は、秋、冬、春で寒いまたは肌寒い時期が好きだった。

 その時期が「寒いから」と言った口実で、引っ着いて・・・ 海の温もりを感じながら寝る事ができるから。


 海の家に泊まる時は、シンナーをたっぷり楽しむ事ができた、僕の家では母親が絶対に許さなかったので、シンナーは絶対に禁止だった。

 海の父親が許していた訳では無い、親なのだから当然見つかれば叱られるが、父親と言うのは母親よりも鈍感で、子供には無関心な所があるもので、海の父親もそうだった。


 何時ものように夕方迄はグループの皆で楽しんでいたが、僕はそのまま泊まっていく事にした。

 皆が帰って暫くするとシンナーも抜けてくる、僕達はお風呂に入ってご飯を食べる事にした。

 シンナーをしてる時は、身体からある程度抜けた時を見計らってお風呂に入ったりご飯を食べないと、何もする気にならないし食欲もない状態だからだ。

 海の家はアパートだったので、お風呂が備え付けられておらず、近所の銭湯に行っていた。

 本当の意味で海と仲良くなるまでは、海と一緒にお風呂に入り堂々と裸を見ることができるので好きだった。

 中学二年生、多感な年頃だったので腰にタオルを巻いて、大事な所は見えなかったが何故か逆に、その事に興奮を覚えていた。

 所詮はタオル一枚、湯に濡れると肌に密着しうっすらと形が浮び上がる、白地の薄い生地なら黒い茂みも浮かび上がっていたりして「あーっ・・・ どんなんなんやろうー・・・」と、想像力をかきたてられた。

 湯船の中ではタオルを外すが、湯がユラユラと動いていたり入浴剤の色があったりしてハッキリと見えない。

 僕は、普通の湯でユラユラと形がボヤけるのに興奮し大好きなシチュエーションだった。

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