第4話
「海は、どうしてんやろな?」この言葉が気になり僕達はグループのみんなで海の家まで様子を見に行く事にした。
僕達は男4人・女3人のグループだった、しかも僕以外は小学校が同じで海の事を知っていた。
中学校は、小学校が2校合併してできているなか、仲良くなった友達が自分以外は同じ小学校だったなんて思いもしなかった。
それに当然、海も僕とは別の小学校の出身だ、だから僕1人が海の事を知らないのだ、だからこそ僕は、海に強く興味を持ったから会いに行かないかと提案したのだった。
海の家は父子家庭で夜までは1人だと聞いていた、それを聞いた時、自分の境遇となんだか似てるなと感じた。
僕の家は母子家庭で夕方から深夜までは母親が働いていたので、家には兄と2人だった。
母親と父親・夜と昼と真逆にあったが、境遇的には同じように感じたのかもしれない。
海の様子を見に行くと、ただ学校が・・・ 勉強が楽しくないから行かないと言っていた、その気持ちは良く分かる、でも僕は海みたいな事は出来なかった。
学校なんて行きたくない気持ちは充分にあったが、そんな事が誰にでもまかり通る世の中では無いのだ。
僕達は、学校が終わると海の家に集まるようになっていった、大人が誰もいないから何をしても誰にも何も言われない場所、世間や警察にも見つかる事がない安全な場所。
みんなで集まり、酒を飲んだりシンナーを吸ったりと溜まり場となっていた。
僕は、週末には海の家に泊まったりしていたから、グループの中では1番の仲良しになっていた。
と言うよりは、そうなりたくて、外泊を許されている僕は毎週のように泊まりに行っていたのだ。
そして、その回数は月日が経つにつれて増えていった、何故なら僕は、翌日の学校にさえちゃんと登校すれば、平日でも外泊を許されていたから。
僕が海の家に泊まっても、海が僕の家に泊まっても、翌日が学校なら海を連れて僕はきちんと登校をしたから、海が登校する回数も増えていって海にとっては良い方向へと向かっていたから、ちゃんと勉強をするしないの問題ではなく、登校する事が「はじめの1歩」となるからだ。
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