社長と雪

第27話

「美月くん!社長が来てるよ。今カメラマンたちは集結してるよ?雪さんも行ったみたい」


え、俺は…遅刻?

じゃない!シフトがそうなってた!

えーどうしよ。田中さんが教えてくれたけど…


「田中さん、俺行ったほうがいいんですか?」


「いや、待ったら?」


「えー、どうしよ」


「あ、美月さん」


藤原くんが社長室から出てきた。


「あ、中はどうなってる?」


「たぶん呼ばれますよ?待ってたほうが?」


「うう、そうだよねぇ…」


「美月くん、仕事したら?私戻るわ」


田中さんにも、藤原くんにも置き去りに。廊下で待っとくのもやっぱりだめだ!備品を整理しよう。

しばし雑用に専念していたら、萩原さんや小暮さんが歩いているのを見かけた。終わったのか?でも呼ばれない。難航してる?

雪ー助けてあげたいよー!


「美月くん、社長室まで」


そんなこと思いながらスタジオで雑用してたところ、長山さんに呼ばれた。ぎゃ、緊張する!


「あ、あの、長山さん、話は難航してますか?」


「いや?」


「ありがとうございます!行ってきまーす!」


よーし!それならよかった!これから頑張るぞー!社長室なんて入ったことない。


「失礼します!」


「あー、美月くん。いらっしゃい」


社長を見たのは面接以来。できる女って感じの怖い人だ。


「あ、あの!雪のことなんですけど…」


「ちょっと、ここにいますけど?」


「え、雪?」


普通に椅子に座ってるし!?

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