第22話

いつもより遅くなった。もう!白河さんのせいだー


「白河さん、ぜーんぜん準備しなくてさー。撮影手間取っちゃったよ」


「さおちゃんもいろいろ大変なのよ?」


「お腹すいたよ」


「雄輔、食べたらいいでしょ?」


「雪は先に食べてるしー」


「はいはいごめん。晩酌してるじゃん?」


「食べるしー」


一緒に食べたかったんだよ!

今日は、角煮っぽいやつ?


「ねー雪。白河さんなんか怒ったよ?」


「何言った?」


「あー、雪と沖縄行くこと、長山さんに話しちゃった」


「それでなんでさおちゃん怒るの?」


「いや、それでねー沖縄でスタイリストしたいって言ったら、長山さんが社長に相談してくれるって言ったわけ。でも白河さんはスタイリストもともといるから!って怒った」


「へー?」


雪なんで笑うんだ?


「雄輔、昨日の話覚えてる?」


「なに?」


「さおちゃんの彼氏の話し」


「うん」


「あれが、スタイリストしてんの」


「ええ?まじー?カメラマンって長山さん言ってたよ?」


「どっちもしてんの。んで、長山さんの甥っ子ちゃんなわけ」


「えー?そうなの?白河さんは、なんかそういう感じなかったけど」


「長山さんは言ってないね。仕事に差支えたらまずいし?長山さんのかわいいー甥っ子ちゃんわね、スーパーモデルのジュンヤって言うのよ。知らない?」


「は?なに?どういうこと?」


「テレビで見たことない?パパラッチに写真撮られてスキャンダル多い、アメリカで活動してるモデル」


「う…嘘?」


あの、かっこいい人?長山さんの親戚で、沖縄というのが意味がわからない。全然かみ合わない。


「本人に会ったけど、バカそうだったよ?つーか、たよりねーやつだったし。さおちゃん困らせんなって言ったらびびってた」


えー、雪はすごいモデルになんてことを。


「そんでそいつさー、長山さんのことおじさんって言ってて。うけたわー。誰も言えないワードさらっとね」


「へー、俺も親戚のおじさんだなぁって思った」


「それ本人に言った?」


「言ってないよ!」


「あーよかった。雄輔なんでも言うからね〜」


「違うのに!雪のいじわる」

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る