第20話

翌日。

白河さんは撮影してたけど、休憩中に急に寄ってこられた。


「美月くん、雪さんと付き合ってることみんな知ってたよ」


「あ、そうなんですか?」


「私だけ知らなかったのって、ひどい」


「いや、あの…雪も俺のこと言いたくなかったのかな…?」


「ないね!さおちゃん知らなかったの?みたいに言われたし。私が仕事ちゃんとしてないの、雪さんわかってたんだよきっと。あーもう!美月くんから言ってくれたらよかったのに」


「すみ、ません」


謝るしかないけど、謝る意味ある?


「あ、長山さん。そういえば、美月くん雪さんと付き合ってるんですって。知ってました?」


通りがかりのカメラマン長山さんを白河さんは捕まえた。


「あぁ、萩原くんから聞いてる」


あー、さすがおしゃべりカメラマンだ。


「私は、聞いてませんでした」


え、白河さん怒ってる?


「それは、君が撮影に来ていなかったから」


「そうですね!雪さんもう辞めちゃいそうだし、仕事しますよ」


「辞める?」


あー、白河さん余計なことを!


「あれ?知らないんですか?」


「あ、あのー、長山さんすみません。雪の実家はゴーヤー農家をしておりまして」


「ああ、知ってる」


なんと冷静な長山さんだ。こっちがひびる。


「え、あぁ、それでですね、そこを手伝う予定で」


「君は…どうするのかい?」


「…俺は、もちろんついて行きます。それで、社長が来たときに相談しようと思っています」

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