雪と餅月

第11話

翌日、職場の廊下で餅月に詰め寄られた。


「雄輔、あんた雪さんの弱みでも握ってる?」


「うるせ」


餅月に絡まれるのやだ。

そういや、最近こいつの胸がおかしくない?

…あれ、絶対なんか入れてる。俺女装したことあるから、わかる。でもじっと見たら気があるかと思われるからやめといた。

そんなとき、前からカメラマンの萩原さんが歩いてきた。


「美月くん!飲み会行かないかい?楽しいよ?」


え、俺に話してるの?


「いえ、悪いですから…」


がしっと肩を掴まれた。


「田中さんに聞いた。恋バナしようぜ?」


萩原さんが、すごくいきいきしてる。なぜ?


「はい!それ!餅月も行きます」


「え、なんでだよ」


「まーいいけど。それより美月くん、必ず来い!」


「え、でも」


「うまいご飯の店だよ?おごるよ?」


「ワイン出るんですかー」


餅月はもう行く気満々。うざいー


「あるけど?美月くんはお酒…あーそうか!見た目は10代かと思ってたけど、専門学校卒だったね。君はもう大人だから飲めるね!飲もう!」


強制参加に。

雪ごめん。晩ご飯は食べてくるよ。

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