第10話

「藤原さんに告白されたって、本当?」


家に帰って雪にすぐに聞いた。気になったし。


「は?…あー、先週くらい」


雪は料理を並べてる。


「聞いてないよ」


「言う必要あるの?」


そう言われると…うーん、個人的なことだしなぁ。藤原くんが言わなければわかんなかったけど。


「…ない」


「その割には元気ないね」


「内緒とかやだ」


「あー、そうなの?あんたも告白されたら言う?」


「言う」


「あんたさ、餅月に気に入られてない?」


「…たぶん?」


「告白されてないの?」


「ないよ?ただ絡まれてる。同じ学校だったし…」


そして、嫌味言われる。


「あっそ。ご飯食べな」


もくもくとご飯を食べる。

雪怒ったかな。しゃべんないし。

餅月、嫌に絡むから。


「ごちそうさま。…あ、餅月のことは、ほんと全然好きじゃないから、雪は心配しないで」


「は?してない」


「ほんと?」


「私に懐いてんじゃないわけ?」


「ちょー懐いてる!懐きまくってる!雪のご飯でね」


「はー?ご飯で懐いてるわけ?」


「いや、そうじゃないよー。雪に、懐いてるよ」


急いで雪のほうに回って、しがみつく。


「雄輔、こら。じゃれつかないの」


「俺、雪大好きだもん」


上向いてキス待ちする。


「なによそれ。雄輔、あんたほんと女顔ねぇ。なにこのかわいい唇は。そんなにキスしてほしい?」


ほっぺたつままれた。


「俺は、雪のほうがかわいいと思うなぁ〜いっぱいキスして〜」


「甘えないの」


って言いつつ、キスしてくれるんだよねぇ。わーい。幸せ。

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