雪と藤原くん

第8話

「美月くん、雪さんと仲良いわね」


メイクの田中さんと今日は休憩一緒だった。ご飯は雪の手づくり弁当なのだ!


「付き合ってます」


「え、まじで?すごいね」


「田中さんは、旭川さんと付き合わないんですか?」


「なんでよ。旭川さんは既婚者。日ノ原恵ひのはらめぐみって知らない?」


「あーなんか有名なモデル」


「その人が嫁」


「まじでー?知らなかったなぁ。遊びにきてくれないんですか?」


「さぁ、一度も見たことないよ?」


田中さんはベテランなのに見たことない?ってことは、喧嘩してんのかな?田中さんは、食堂の定食を食べてる。料理はしないのかもね。


「ねぇ、どっちから告白したの?」


「もちろん俺です」


「やっるう〜」


田中さんにべしっと肩を叩かれた。おばちゃんな反応だ。


「なんか楽しそうですねー田中さーん」


げげ。餅月現る。嫌だなぁ。


「ちょっと餅月。あんた知ってた?美月くん、雪さんと付き合ってるって」


「…は?」


餅月の目の色が変わった。できれば話したくない。こいつ、俺のことよく見てるし、なんか嫌なんだよな。嫌味言われる。


「餅月にはかんけーないんで!」


むしゃむしゃご飯を食べる。早くここから逃げなくては。


「それ、雄輔が作ったの?」


「んなわけない。雪」


「う、そ…本当なの…」


あー面倒くさい。嘘言ってどうする?

餅月まじ嫌い。


「ごちそうさま、現場戻ります」


さっさとこの場から離れる。

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