第2話

雪のいじわる。俺はちゃんと勉強してるのに。


「できるよ!…まぁ、まだまだだけど」


「ふーん。ほら、撮影はじまるよ」


「うん」


急いで道具の準備を始める。

モデル、内雪うちゆきのいる撮影班に俺はいる。カメラマン長山ながやま班ということだけどね。雪は、雑用の俺をなにかと気遣ってくれる。それは、体調崩しやすいからなのかな?

北海道から出てきて、東京の専門学校に入って…めちゃ熱出て、またモデル事務所入って、めちゃ熱出て。それは、年に何回かある。俺はなんてひ弱!

仕事に無理して出ていたら、雪に気がつかれて、優しくされているという状況だ。年上だし、雪さんと呼ぶのが普通だが、雪でいいと言うのでそう呼んでる。


「美月くん、これ持って」


「はい」


レフ板持ったり、小道具出したり。それから、たまーに服とか髪とか乱れたらお直し。でも、それも雑用。悲しい。

はーあ、今日も雑用だけで終わっちゃう。


「雄輔、あんたぼーっとしてたでしょ」


撮影終わりに片付けてたら、雪に話しかけられた。


「えーうん」


さすが雪だ。ばればれ。


「ごはん食べてるの?ちょっと顔見せて」


立ち上がって、雪を見上げる。身長高いよなぁ。雪はほっぺたをびーっと引っ張った。


「うーつまむなよー」

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