第2話 あの子の瞳
お昼前の体育館は程よく日差しが当たって、少しだけ暖かい、こんな寒い冬に体育をするときはここがわたしの定位置だった。
ダンッ ダンッ
ボールをつく音の中に声一つわたしを呼んだ。
「瑠璃ちゃん、でないの?試合」
やっぱり、舞だ。
「うん、でない、寒い」
こんな寒い中やってられるか、まずわたしはスポーツが得意では無い、とくにバスケとかは人と人との距離が近いから色の組み合わせが悪いとやりたく無くなるのだ、勉強は英単語や語句は色で覚えればいける、まぁ
便利な時とそうじゃない時があるということだ。
じゃあ行ってくるね、と笑顔でバスケをしに行った舞を見送り、また日当たりを堪能する。
____あ!無色さん!
舞じゃない、誰かがわたしを呼んだ気づくとボールが目の前にきていた、慌てて手を出すが多分下手だった
「っ、痛った」
「ごめんねーー無色さん大丈夫?」
心配そうにこちらを伺う
「あー大丈夫!突き指みたいな?」
「保健室い_」
「瑠璃!!!!!」
くると思った、わたしとは反対側にいたはずの舞が急いできてくれた、この息切れは試合なのかそれともそれだけ急いで来てくれたのか。
保健室に連れていくと言われたが、断って一人で行くことにした。
✿.
ガラッ
「失礼しまーす。」
「はーい、どうしたの?」
保健室に来るのは多分初めて?そうじゃなくても中々こない、こんな先生だったんだ。
「えっと突き指?しちゃって」
うわ、なんか悪化してる、と思いながら先生に指を差し出した。
そこ座ってーっと言って処置をしてくれる先生、自分の指だけど痛々しくて目を逸らした。
隣にあるベットの足元に置いてある上靴に「一色」という文字を見つけたがその文字に違和感を覚えた、
シャッ!
真っ白なカーテンが勢いよく空いた、先生もわたしもビクッとなり一人の少女に目を向ける、腰まである綺麗な髪にパッチリとした瞳は今すぐにでも吸い込まれそうだった。
いや、タイムリーすぎるだろ。
「一色ちゃん?どうしたの?」
話しかけた先生にはなにも答えず、ギシッと音を立ててベットから降りわたしに近づく。
「!!!」
わたしの頬に手を添え、彼女の綺麗な瞳でわたしを捕まえ話さなかった。
「あなたの瞳の色はなんて言うの?」
「え?」
そうだ、わたしも聞きたいことがある。
___どうしてあんたはには色が無いの_____?
瑠璃の色 りりらりら @Honoka0301
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