第9話 突きつけられた現実

それから数週間後、ポストを開けると結婚式の招待状が入っていた。送り主は彼女だった。どうやら、例の彼とは上手くいっているらしい。

 彼女のゲリラ報告を受けてから少し時間が経って落ち着きは取り戻したものの、失恋したような虚しさが日に日に心を蝕んでいる。まるで、一人深海に沈んでいくかのような息苦しささえ感じた。

 

目の前にある招待状は、変えることのできない未来が現実のものとして刻一刻と迫ってきていることを、嫌というほど思い知らせてきた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る