第16話かわいい幼馴染ちゃん⑥

 幼馴染ちゃんは決断する。


 何をしてたんだろう。

 一人俺は天井を見つめ呟く。

 幼馴染ちゃんの言い分も聞かずに、ただ自分の意見を言うだけ言って。幼馴染ちゃんの言い分も聞かずに。

 今になって後悔が飽き始めた。

 だが、もう遅い。

 それはわかっていても、どうしてもそう思ってしまうばかりだ。



 次の日。

 当然幼馴染ちゃんは現れなかった。

 俺はギリギリまで寝ていて、その日は遅刻した。

 学校に着くと、幼馴染ちゃんはクラスメイト楽しそうに会話をしていた。

 幼馴染ちゃんはいつもと何も変わらず。悩んでいるのは自分だけだと思うと、馬鹿らしくなる。

 ほんとに面倒だったのか。

 胸が苦しくなる、冷たくて苦いものが広がる。


 帰り道。

 俺はコンビニに寄って晩ごはんを調達していた。

 弁当と明日の朝の菓子パン数個をかごに入れ会計を済ませた。

 コンビニを出ると、見覚えのある顔を見つけた。

 スーパーで会ったお婆さんだった

 



 『もう、来なくていい』

 その言葉は私の心を苦しめている。

 頭を埋め尽くして、気が付けば涙が溢れてくる。

 なんでだろう。

 いきなりそんなことを言うなんて考えられなかった。

 何かあったのだろう、それはわかっていた。でも、また拒絶されたらと思うだけで、苦しくて苦しくて息ができなくなる。

 私は自室のベットに寝転び、天井を見つめていた。

 ぶっーぶっー。

 スマホがなる。

 幼馴染くん、からかも。

 そう思い私は飛び起きスマホを見る。そこには生徒会長の名があった。

 電話だった。

 「もしもし?どうかしましたか?」

 少し面倒くさかったが、出ないほうが面倒くさいので出る。

 『あ。もしもし。大丈夫かい?今日元気がなかったて聞いてね。それに生徒会にも来なかったし』

 「今日は仕事なかったはずですけど」

 『いや、来るかなって。もう君は生徒会の一員みたいなものさ』

 「はぁ」

 私は生徒会になった記憶なんてないんですけど。

 思うが口にはしない。

 それから生徒会長は一人でペラペラ喋っていた。

 『そうだ、今日君の幼馴染に会ったよ』

 「え?」

 私は驚き声を上げる。

 「なにか言ってましたか?」

 『いっぱい菓子パンを買ってたよ』

 生徒会長は少し笑い。

 『やっぱ、君が相手する人間じゃあなかったね。今日も遅刻したんだろう。笑ちゃうよ』

 「・・・・・」

 『全く、彼は何も学習しないんだろうね。君に世話されるのを良いことに。君もそう思いだろ』

 生徒会長に幼馴染くんを馬鹿にされ頭にきた。

 「お言葉ですが。私はそう思いませんし。私は人のことを馬鹿にする人とは関わりたくないです」

 『え?』

 生徒会長は少し驚いた様子だ。でも、私は言葉を止めることなく続ける。

 「この間も言いましたよね。彼のそうゆうこともひっくるめて好きなんです」

 生徒会長は黙る。

 「もしかして、会長ですか?彼に変なこと吹き込んだじゃないですか」

 私は冷たく言う。

 『い、いや僕は何も。本当だよ』

 正直生徒会長のことは信用できない。

 この人ならやりかねないからだ。

 「そうですか。じゃあ切ります」

 『あ、ああ。明日生徒会室で』

 そう言うが私は。

 「いえ、もう行きません。では」

 『ちょ、ちょっとま・・・』

 ツッーツッー。

 私は電話を切った。

 「う〜〜〜ん。スッキリした」

 私は寝転び伸びをした。

 でも、その気持ちはすぐになくなり。すぐに幼馴染くんのことが頭に浮かぶ。

 「何してんだろ?」

 私は誰もいない部屋で呟く。

 すると。

 「おーい。居るか?」

 そう言いながら、お母さんが入ってきた。

 「ノックぐらいしたら?」

 私はじっととお母さんを見つめる。

 「じゃあ」

 コンコン。

 お母さんはわざとらしくドアを叩く。 

 私はため息をつき。

 「何?私疲れてるの」

 そう言ってベットに潜り込む。

 「何あんた。まだ、あいつに振られたこと気にしてんの」

 「振られてないもん」

 反射的に叫ぶが、きっとあれは振られたんだろう。そう思うと、また泣きそうになる。

 「何?失恋中の娘を笑いに来たの?」

 「私しゃ、そこまで酷くないよ。逆だよ逆」

 「逆?」

 私は少し顔を出す。

 そこには笑ってビニール袋を持ったお母さんがいた。

 「チャンスを持ってきたの」

 お母さんはニカッと笑った。 


 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る