第15話妹幼馴染⑤
幼馴染はきれいな髪だった。
小学4年の冬、俺は公園に行く途中の家にトラックが停まっていて、目が止まった。
そこには母親らしき女性にビッタリとくっついた幼馴染がいた。
幼馴染は今まで見てきた女の子とは違う。
真っ白で絹のような髪。肌も透き通るような透明肌。身長は低くとっても愛おしく感じた。
見ていたのがバレたのか幼馴染は逃げるように家の中に入っていった。
すると、母親が俺に気が付く気。
「ねぇ?君この辺の子?」
声をかけてきた。
俺は驚きながらもうなずく。
「近くにコンビニってあるかな?」
少し歩けば。
「そうなのね。娘がアイス食べたいって言ってね」
そう微笑みながら話す。
「時間あるなら、案内してくれるかな?娘呼んでくるから」
俺はもう一度あの子に会えるなら、と思い承諾した。
母親は幼馴染を呼びに家の中に入っていった。
少し待つと、むくれた表情の女の子が出てきた。
「ママと二人でいい」
幼馴染はやはり母親にくっいて、こちらを警戒している様子だ。
「ごねんね。この子人見知りなの」
母親が謝り、幼馴染は悪振れることはない。
大丈夫です。
俺はそう言い、俺達はコンビ二に向かう。
幼馴染は何も喋らなかったが。ただ歩いているだけでも、絵になる。
光るを浴び輝く髪の毛は宝石のようだった。
俺はコンビ二に向かう途中色んな話を聞いた。
この家族は海外から仕事のため引っ越してきたそうだ。
次の春から幼馴染は俺の後輩になるわけだ。
コンビ二に着くと。母親は俺にアイスを買ってくれた。
案内してくれたお礼だそうだ。
俺はありがたく受け取り食べる。
幼馴染も美味しそうにアイスを食べていた。
俺たちはそこで別れ、俺は公園に向かった。
数日後の夕方。
俺は公園で友達と遊んで帰ろうとしていたとき。
公園の端の方で座り込んでいる幼馴染を見つけた。
何してるの?
俺はつい声をかけた。
「う?」
幼馴染は俺の顔を見て顔をしかめ視線を地面の移す。
幼馴染は地面に枝を使って絵を描いていた。
絵描いてるの?
幼馴染は黙々と何かを描いている。犬だろうか。
「向こう行って」
幼馴染は睨み言う。
でも、周りはもう暗くなりつつあり。幼馴染一人は危ないと思い、隣に座る。
「何?」
いや、帰らないのか?
「帰っても誰もいないもん」
お母さんも?
幼馴染は首を縦にふる。
「パパとママ仕事で忙しいから」
幼馴染は退屈そうに言う。その目はどこか寂しそうで。
じゃあ、帰る気なるまで一緒にいてあげる。
俺がそう言うと、幼馴染はこちらを見て。
「勝手にして」
幼馴染の口元が緩んだ気がした。
おばさんからは、幼馴染は人見知りと言っていたが。実際は話してみると寂しがり屋な感じがした。
まあ、打ち解けるのには少し時間がかかったが、数日話すとそれなりに懐いてくれた。
「なにそれ」
今日は寒くて幼馴染の家にいた。
携帯型ゲーム機だよ。
外で絵を描いていた日、何で外にいたか聞いたことがあって、その時家に遊び道具がなにもないことを聞いていた、ので持ってきてみた。
「ゲーム機?」
そう。やったことないの?
幼馴染は目を輝かせながら小さく首をふる。
その姿が可愛らしく、つい笑ってしまう。
「なんで笑うの?」
ごめんごめん。
幼馴染は頬を膨らまさ怒る。その姿もまたかわいい。
やる?
俺が聞くと、幼馴染は頷く。
俺は幼馴染にゲーム機を渡し、説明する。
今日持ってきたのは『FANTASY NEO2』だ。
俺もあんまりゲームをする方ではないが、親父が買ってきたゲームがこれだった。
少し難しいゲームだったが、幼馴染は夢中になってプレイする。
馬に乗るところなんて、操作と同時に体まで動かしていた。
熱中しすぎて、周りはもう暗くなっていた。
そろそろ帰らないと。
俺がそう言うと、幼馴染は俺の袖を掴み。
「まだ。まだ、だめ」
え?
幼馴染は目を潤ませ言う。
「だ、だって。まだゲームした」
そんなにハマったのか。
俺が聞くとが幼馴染は、いきよいよく頭をふる。
俺は、幼馴染の頭を撫で、わかったよ。そういう。
「頭撫でんな」
その割には幼馴染は安心したような表情をうかべる。
そして、季節は進み。
幼馴染の人生の分ける季節になる。
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