第13話かわいい幼馴染ちゃん⑤

見てしまった。幼馴染ちゃんの・・・。

 

 今日も宿題を忘れてしまった。今回はしっかりやったのだが、多分リビングの机の上だろう。

 まあよくあることなので、何も感じなかった。

 そして、今回もまたバツを受けた。教室の掃除だ。前回のプリントより、まだマシだ。


 放課後みんなが帰ったあと掃除を始める。椅子を上げ、ほうきを持ち掃除開始だ。


 時間はかかったもの終わらせるとこができた。

 掃除を終えキレイになった教室を見ると、謎の達成感を得た。

 掃除道具を片付け、先生に報告しに行き、やっと帰れる。

 きっと幼馴染ちゃんがご飯を作って待ってる。と、思い急いで学校を出ようとしたとき、幼馴染ちゃんを見かけた。

 あれ?まだ残っていたのか。

 そうだ、今生徒会の手伝いをしてるんだった。

 俺は幼馴染ちゃんに声をかけようとした生徒会長が出てきて幼馴染ちゃんと仲良さげに下校していった。

 幼馴染ちゃん生徒会長と仲良かったんだ。

 胸の中がモヤモヤした。

 そして俺が家に着いても幼馴染ちゃんの姿はなった。

 幼馴染ちゃんが先出たよな。

 俺たちのマンションがあるのは、学校の最寄り駅から6駅先ぐらいだ。

 俺が駅につくとちょうど電車が一本出て行った。てっきり、それに乗ってると思ったが違ったみたいだ。

 胸のモヤモヤは加速する。


 「遅くなった」

 幼馴染ちゃんが帰ってきたのは1時間後だった。

 遅かったね。

 俺が言うと幼馴染ちゃんは。

 「下校時間ギリギリまで書類整理したんだよ」

 嘘だ。

 俺が学校を出たときはまだ下校時間じゃなかった。

 なんでかわからないが幼馴染ちゃんは嘘をついた。

 その日は追及しなかった。

 きっと幼馴染ちゃんにも事情があるのだろう。


 そう思った次の日。

 俺は決定的場面を目にした。

 

 今日も幼馴染ちゃんが遅くなると思い、学校近くのアイス屋に来ていた。

 このアイス屋は、公園にあり買って公園のベンチ一人食べていた。

 友人に勧められた、アイス屋はすごく美味しかった。

 今度、幼馴染ちゃんと来よう。

 そう思っていたら、幼馴染ちゃんが生徒会長と二人できた、アイスを持って。

 俺はとっさに隠れた。

 「ここのアイス美味しんだ。君食べてほしくてさ」

 生徒会長は噂どうりのイケメンで、近くで見ると女子人気の高さもうなずけた。

 「ありがとうございます。買っていただいて」

 どうやら、幼馴染ちゃんが持っているバニラアイスは生徒会長が買ったものらしい。

 「いいんだよ。僕が誘ったわけだし」

 くっ。爽やかスマイルが眩しすぎる。

 「で、お話とはなんですか?」

 生徒会長は言った。

 「君は一人に男子生徒の世話を焼いているみたいだね」

 俺のことだ。

 「はい、幼馴染なので。それに私がいないと何も出いないですし」

 幼馴染は微笑み言う。

 「やめた方がいい」

 生徒会長が言い放った。

 幼馴染ちゃんも、目を見開く。

 「君は、優しさでやっているのかもしれないが。それはその男子生徒のためにもならない」

 幼馴染ちゃんは言葉が出なかった。 

 「だから、もう関わらない方がいい。言っちゃいけなが、その男子生徒は忘れ物も多いし。成績も悪い。君の関わるべき人間だとは思えない。今後の学校生活で邪魔になる」

 確かに生徒会長の言うとうりだ。

 俺は幼馴染ちゃんの優しさにつけ込んで、甘えていたのか。

 「だから僕が君を守るよ」

 「・・・そ、そうですね・・・・」

 幼馴染ちゃんが肯定した。

 その瞬間俺の世界が歪みだした。

 胸の中のモヤモヤは冷たいものに変わり広がる。鼓動は音は大きくなりスピードをあげ、頭が真っ白になり、何も思考できなくなり、そして無性に寂しくなった。

 何やってるんだろう。

 俺はそう思いその場を立ち去る。

 俺はずっと幼馴染ちゃんの邪魔だったんだ。

 なんの前置きなく壊された日常。

 いや、前置きはあったのかもしれない。ただ、俺が気づかなかっただけで。

 考えれば当然のことだ、俺はズボラで幼馴染ちゃんがいないと何もできないダメ人間。

 逆に生徒会長は勉強もできるし、イケメンで女子人気も高い。

 どこに勝てる見込みがあったと言えるのだ。

 幼馴染ちゃんも、男子人気が高い。愛嬌のある笑顔に、面倒見のいい性格で周りからは俺がダメさのを見かねてお世話していると思われている。

 間違いでもないことが今日証明されてしまった。

 心の何処かで幼馴染ちゃんは、俺と同じ気持ちではないかと思っていたのが恥ずかしくなる。

 涙が溢れてきそうになる。俺は必死に我慢する。上を向き夕刻時の空を見上げる。

 馬鹿だな俺。

 ポツリと出した声は虚空の消える。誰にも聞かれず消えていく。



 家に着き自分のベットに倒れ込む。

 食欲も湧くことなく死んだように眠りについた。


 目が覚めると、時刻は22時を越えていた。

 起きリビングに行くと、いつものように幼馴染ちゃんがいた。

 「あ!起きた。大丈夫?体調悪い?」

 幼馴染ちゃんの声は、今の俺の耳には入ってこなかった。

 もう。

 「?」

 もう、来なくていい。

 俺はそんなことを言った。

幼馴染ちゃんは泣いていた。

 「なんで?」

 ・・・・。

 「なんで?そんなこと言うの?ねぇ」

 幼馴染ちゃんは震え言う。

 すり寄るように。

 俺もおかしくなっていたんだと思う。

 ごめん。いいままで。

 俺はその場から離れた。

 だって、そんな顔見たらまた勘違してしまう。

 「ねぇ、説明してよ」

 幼馴染ちゃんの泣き声は自室まで聞こえた。


あとがき

どうもあすペンです

かわいい幼馴染ちゃんはどうでしたか?

話は今起承転結でいう、転です。

次回は『クールな幼馴染さん』です

お楽しみに

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る