第12話妹幼馴染④
今日は肌寒い日だった。
幼馴染に勉強を教えて少し経った。
幼馴染は吸収が早く、2ヶ月も経たないうちに中1の範囲のほとんどを終わらせていた。
でも、集中力にかけていて、やる気をもたせるのには少し苦労したが、幼馴染は物で釣ったり、甘やかすのが効果てきめんだった。
そして、おばさんと話し合って決めた、次のステップに進むことに。
今日も勉強の集中が切れてきたので、俺は幼馴染の頭を撫でていた。
そろそろ勉強できそ?
「う~~ん、もうちょい」
幼馴染は完全にリラックスモードになっていた。
俺の膝に座り体を俺に任せていた。
これじゃあペットだな。
「ペットでもいい。おにいに撫でられるなら」
サラサラきれいな白い髪は照明の光を受け輝く。
「おにい、少し眠くなっちゃた」
幼馴染は目をとろんとさせ、船を漕ぐ。
じゃあ、勉強はここまでだな。
「う、うん」
もう半分夢の世界に行っている幼馴染。その顔は幼い子供のようだ。
幼馴染が寝たのを確認して、幼馴染のベットに運ぶ。
ベットに寝かせて、俺はリビングに移動しようとしたとき幼馴染は俺の手を掴んだ。
「お、おに、い」
幼馴染は夢の中でも俺の名を呼ぶ。
前にもこんなことがあった。
その時はゲームをしていて、幼馴染が寝落ちして俺は帰った。
すると、次の日。目を真っ赤にした幼馴染がいた。
「なんで帰ったの?」
だって寝たからいいかなって。
すると幼馴染が泣き出す。
「びっくりした。おにいがいなぐて寂しがっだ」
俺は幼馴染の頭を撫でた。
その日は帰ることができなかった。
これはおばさんから聞いた話だが、幼馴染は起きたあとからずっと泣いていたらしく。困っていたらしい。
帰ると幼馴染が泣くからな。
そう思い幼馴染のベットの横で、俺も少し眠った。
起きるともう夜になっていた。
幼馴染もすでに起きてゲームをしていた。
ごめん、寝てた。
「うん、いいよ。それよりゲームしよ」
幼馴染はコントローラーを俺に渡すが、俺は断った。
もう夜だし帰らないと。おばさんたちにも迷惑だろうし。
「むっ。いいよ今日は泊まって」
で、でも・・・。
俺は遠慮したが、幼馴染は頑なに譲らなかったので。
おばさんがいいっていたらな。
と条件を付けた。
許可はすぐに出た。
おばさんは幼馴染に甘かった。
俺は母さんの連絡した。
「おにい、ご飯できるまでゲームしよ」
と言って俺を引っ張って連れて行った。
俺達は格闘ゲームをしていた。
ねぇ、明日外に出ないか?
俺が言うと幼馴染は手を止めた。
「なんで?」
機嫌が悪そうに呟く。
ほら、いくら勉強ができても受験に行けなきゃ。意味ないぞ。
「うっ、でも、でも」
幼馴染は震えこちらを向き、抱きついてくる。
「怖いよ。外は怖いの、無理だよぉ」
幼馴染はいじめをきっかけに、一切外に出なくなった。さらに言えば部屋のカーテンも閉め切って、外の世界を数年見ていない。
いきなり外は厳しかったのはわかっていた。
なので俺はとある策を用意していた。
じゃあまずは、朝カーテンを開けよう。
「でも、でも」
でも、としか言わない幼馴染。俺はここまで予測していた。
端からすんなり外に出てくれるとは思っていない。
明日は俺もいるし大丈夫。
少しカーテンを開けておしまい、ね。
少しずつだ。少しずつ、幼馴染に外を向いてほしい。
せっかく高校に行きたいと言っているんだ、幼馴染も外への周りの恐怖と向き合おうとしている。
俺たちは全力でサポートすると決めた。
一歩ずつ確実な方法で。
「じゃあ、おにいが抱っこしてれるならいいよ」
もちろんいいに決まってるだろ。
「それと、今日は一緒に寝よ」
うん?
一緒に?
「うん、ぎゅ~っうてして寝る」
いやでも、それは。
もちろん、幼馴染はそんな気があって言っているわけではないんだが。
いくら幼馴染で妹みたいだと言っても、幼馴染は普通にかわいい女の子。どうしても健全な高校生らしい反応をしていまう。
抱っこやハグのには、慣れたが。一緒に寝るなんて小6が最後だった。
「駄目なら、やんない」
くっ。
誰かがきっかけを作らないといけない。
そして、それはいまだと悟った。
わかった。いいよ。
「うん。わたし頑張る」
幼馴染は更にハグを強めた。
一応おばさんに報告したら。
間違いだけは起こさないようにと、釘をさされた
夜あとは寝るだけなので、幼馴染の部屋行く。
ノックし、部屋に入った。
幼馴染のベットの上にちょこんと座っていた。
泊まるときはいつも見ていたピンクのパジャマは、いつもとはなんか違っていた。
パジャマ変えたか?
「うん?変えてないよ」
幼馴染は首をかしげる。
「それより、ここ来て、ここ」
幼馴染は自分の横を叩く。
横に座ると、幼馴染に押し倒された。
「へへ、押し倒してやったぜ」
そう言うと、幼馴染はハグをする。
「久しぶり。おにいと寝るの」
身体に幼馴染の重さを感じる。
「いつも泊まるとき、一緒に寝たいと思ってた」
心臓が速くなる。
幼馴染からはシャンプーのいい香りはする。
「だからね。嬉しい」
甘い声で言う。
「明日頑張る。おにいが約束守ってくれるから。わたしも変わるから」
そう言って幼馴染は寝落ちした。
時計を見ると、もう十二時を回っていた。
いつもならもう、寝ている時間だ。
俺が部屋の前で入るのを躊躇っていたから、頑張って起きてたんだろう。
そう思うと、変な考えは消えていた。
幼馴染は俺を離さんと、強く抱きしめていた。
次の日、俺は6時ちょっと前に起きた。
幼馴染は、スースー、と、寝息を立てていた。
俺は起こさないように優しく頭を撫でた。
すると、安心したのか少し笑ったように見えた。
今抜け出すと、後で何を言われるのかわからないので、俺はスマホを触るとこにした。
ラインが数件着ていたのでそれの返信をする。
しばらくすると。
「うぅーーん。あれ?おにい?」
幼馴染が起きた。
幼馴染は寝ぼけているのか、ふわふわしていた。
おはよ。
幼馴染は目をこすり、抱きつく。
「おはよ。おにい」
俺達は先に朝食を取ることにした。
ご飯を食べた、少しして幼馴染の部屋に行く。
よし開けるぞ。
幼馴染の俺の体を抱きしめる。
そして、俺は幼馴染の顔を見ながらゆっくりカーテンを開けた。
俺も今日初めての太陽に目を細めた。
どうだ?大丈夫そうか?
「う、うん。だい、じょうぶ」
明らかに顔色が悪くなっていた。
俺はカーテンを閉めて、幼馴染を抱きしめる。
大丈夫。大丈夫だから。
俺は幼馴染の背中を擦る。
「ご、ごめん。おにいは約束守ってくれたのに」
幼馴染は絞る出すように言う。
いいよ。大丈夫だから、俺がいるから。
幼馴染を励ます。
「あ、ありがとう」
幼馴染が眠りについた。
やはり、外、周りの人間に対する恐怖心が拭えていないことを再確認することになった。
あとがき
どうもあすペンです
『妹幼馴染』はどうでしたか?
次回の『妹幼馴染』は過去編にしようと考えています
次回は『かわいい幼馴染ちゃん』です
お楽しみに
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