第10話かわいい幼馴染ちゃん④

 今日も幼馴染ちゃんはご飯を作ってくれる。


 「ごめん遅くなった」

 そう言って幼馴染ちゃんが家に入ってきた。幼馴染ちゃんには合鍵を渡してあるので、鍵を開けて入ってくる。

 遅くなると言っても、二時間遅いだけだ。

 何かあったの?

 幼馴染ちゃんがため息をつき。

 「いやね。今、生徒会のお手伝いしてるの」

 生徒会?

 幼馴染ちゃんは生徒会に所属しいないのになんでだろう。

 幼馴染ちゃん話ながらエプロンを身につける。

 「友達に生徒会役員がいてね、今人手が足りてないだって。それで、ヘルプを頼まれたわけですよ」

 幼馴染ちゃんはクラスの人気者だ。友達も多いし、先生の信用もある。そんな幼馴染ちゃんに白羽の矢が立つのは当たり前のことなのかもしれない。

 それとこれは余談だが、幼馴染ちゃんは男子人気も高い。これは幼馴染の俺としても鼻が高い。

 じゃあ、しばらくは遅くなるんだ。

 「そう、だから晩ごはん遅くなるかも」

 幼馴染ちゃんは申し訳無さそうな顔をするがなんの問題もない。

 「ご飯今から作るね」

 幼馴染ちゃんは今日も美味しいご飯を作ってくれた。


 次の日、俺は学校の帰り幼馴染ちゃんからラインが来ていることに気づいた。

 『確か牛乳がなかったから買ってきて』

 俺は了解と返事をして、スーパーに向かった。

 スーパーに着き牛乳を取る。

 少し中を見て回り。

 アイスを買って帰ろう。と思い幼馴染ちゃんの好きなピノを2つ買う。俺のぶんと幼馴染ちゃんのぶんだ。

 それだけ買ってスーパーをあとにした。


 その日も幼馴染ちゃんが来るのは遅かった。

 「ごめんね。すぐ作るから」

 来るとすぐに晩ごはんの準備を始める。

 なんか手伝おうか?

 自分でも驚いたが、そんな言葉が出ていた。幼馴染ちゃんも驚いたいた。

 「手伝ってくれるの?」

 う、うん。

 すると幼馴染ちゃんは嬉しそうに。

 「じゃあ、一緒に作ろか」

 今日は晩ごはんを一緒に作ることにした。

 

 「まずはお肉に塩コショウね」

 今日の晩ごはんはハンバーグだ。

 ハンバーグには炒めた玉ねぎと肉パン粉と卵を使う。

 まずはお肉に塩コショウをしこねる。そして、そこにオイスターソースをかける。うちにはナツメグなどないため、その代わり。それと、これ一本で味もしっかりつくのありがたい。

 そして、炒めたて冷ました玉ねぎ(これは幼馴染ちゃんが朝に仕込んであった)に卵パン粉そして少し牛乳を入れて混ぜ、お肉と合わせて粘りが出るまでこねる。

 粘りが出たら、食べやすい大きさに形を整え中の空気を抜く。

 半分チーズinハンバーグにすることにした。

 一緒に作ってみると案外楽しくて、それと同時に幼馴染ちゃんが毎日大変だと知った。

 また、手伝おう。

 「できた!!」

 食卓にはハンバーグと幼馴染ちゃんがいつの間にか作っていたコンソメスープがあった。

 ハンバーグはきれいな形をしたのと、歪な形をしたの2つあった。

 もちろん歪な形なのは俺が作った。空気も抜けてなかったのか、所々割れていた。

 それは幼馴染ちゃんの皿に載っていた。

 それ、俺が食べるよ。

 皿を交換しようとしたとき、幼馴染ちゃんが皿を持ち上げた。

 ちょっと。

 俺が取ろうとすると幼馴染ちゃんは避ける。

 「これは私が食べるから」

 頑なに譲らない幼馴染ちゃん。

 なんで?

 理由を聞くと、口ごもりながら。

 「だって、君が作ったものだもん」

 などと謎なこと言う。

 「とにかくいいの、これは私、君は私の食べて」

 強く言われたので折れることにした。

 ハンバーグはしっかりおいしく、幼馴染ちゃん特製ソースも美味しさを倍増させる。

 スープも濃ゆくもなく薄くもない、ハンバーグにあう味だ。

 「君が作ってくれたハンバーグ」

 幼馴染ちゃんは何やらブツブツ言いながら、食べては。

 「はわわわ」

 溶けていた。


 ごはんを食べ終え食器も洗いを終わって、リビングでくつろいでいる幼馴染ちゃんのほっぺにピノを当てる。

 「ひゃぁ」

 かわいい反応をする幼馴染ちゃん。

 「いきなり何・・。って、ピノ!!なんで?」

 と聞かれたので。

 最近頑張ってるから。

 というと幼馴染ちゃんは目を輝かせ。

 「ありがとう」

 ピノを目の前のすると幼馴染ちゃんは幼くなる。

 ずっとソワソワして、開けると声を出して喜ぶ。

 一つ食べると。

 「うまあああ」

 満足げに声にならない声で言う。

 そんな顔を見るとこっちまで幸せになる。

 「今日はいい日だ」

 なんで?ピノが食べてたから?

 「それもあるけど、何より」

 幼馴染ちゃんは目だけ俺の方にやり。

 「君の手料理が食べれたから」

 くっっ。

 幼馴染ちゃんは恥ずかしそうにピノを食べた。

 くっ、なんて、かわいいんだ。

 そんなの毎日作ってあげたくなる。


 でも、その日は遠くなることを俺はまだ知らなかった。


あとがき

どうもあすペンです

『かわいい幼馴染ちゃん』お楽しみいただけましたか?

今回は調理パート多めでした

このレシピは自分の母がどこからか拾ってきてうちの味になったレシピです

間違ってたらごめんなさい

幼馴染ちゃん特製ソースは常に冷蔵庫にあるみたいです

次回は『クールな幼馴染さん』です

お楽しみに

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