第9話妹幼馴染③
今日は幼馴染に勉強を教えていた。
ほら、また間違ってるぞ。
俺はテキストを指差し指摘する。
「え~~」
幼馴染は、間違いを消しゴムで消す。
俺たちは今、中1の数学をしていた。幼馴染は小学の勉強はそこそこ出来ていて、中学の範囲をすることにした。
そして、幼馴染の部屋だと幼馴染が他の物に気が取られて集中できなかったのでリビングに移動した。
「む~う。わからないよ」
幼馴染は机に倒れ込む。
「ほら、起きなさい。せっかく教えてもらっているんでしょ」
と、おばさんがお茶を持って来てくれた。
「少しを休憩する」
幼馴染は一度自室に戻って、お菓子を取ってきた。
「おにいも食べる?」
お菓子を俺に向けてくる。
ありがとう。
俺は一つ貰う。
「お母さんも、貰っていい?」
「いいよ」
「ありがとう」
おばさんの顔を見ると昨日の話を思い出した。
昨日。
「いつもありがとうね」
俺はリビングにいた。
帰ろうとしていた時おばさんに止められて、座って話をしていた。
いえ、俺したくてしていることですから。
「そう、そう言ってくれると嬉しいわ」
おばさんは一口お茶飲む。
「本当は心配だったの」
湯呑みをさすっていた
「あの娘が苦しいときに私達は何もできなかった」
おばさんは悔しそうに唇を噛む。
「でも、今いい風が吹いてる気がするの」
おばさんは、もともとキャリアウーマンだ。
幼馴染の父親は海外で会社経営をしていて、日本まで規模を拡大するとき活躍したのがおばさんだった。
おばさんは空気を読むのが得意だったらしい。
「昔と今は違う。あの娘がやりたいことを私達はサポートしたいの」
おばさんはまっすぐ俺の目を見て。
「君にも協力してほしいの。今は、私達より君に懐いてるから」
もちろんです。俺のできることなら任してください。
もちろん協力するに決まってる。幼馴染は俺にとっても大事な存在だから。
俺たちはある程度情報共有するとこにした。そこで、俺は勉強を教えてほしい、と頼まれたことを伝えた。
おばさんは驚くことなく頷く。
「やっと言えたのね」
やっと?
「ええ、実は一週間ぐらい前にあの娘言ったのよ・・・」
俺は耳を疑った。
心拍数が上がるのがわかる。
『おにいと一緒の高校に行きたい。』と。
俺ができることはただ勉強を教えることだけだ。
幼馴染が入学する頃には俺は三年生。
一年しか、一緒ではないが幼馴染は前を見て進んで行こうとしている。それは止めることではないが、やはり心配だった。
「おにいゲームしよ」
勉強をそこそこに幼馴染がそんなことを言った。
え?まだ終わってないぞ?
幼馴染はむくれてしまう。
「疲れたの今日終わりなの」
幼馴染は立ち上がり俺に抱きつく。
「ねえ、ゲームしよ?」
幼馴染は見上げて首を傾げる。
くっ。
ま、まあ無理して続かないよりもいいか。
俺がそう言うと嬉しそうに笑い。
「そうそう。いこ」
俺達は幼馴染の部屋に移動する。
おばさんは今から買い物行くらしい。
幼馴染はいつもどおり、俺の太ももの上に座った。
今日も格闘ゲームをする。
おまえ俺と同じ高校行きたいんだって?
何気なく聞いてみた。すると幼馴染はあきらかに動揺した。
「な、なんで知ってるの?」
なんでって?
おばさんから聞いたことを伝えた。でも、協力関係にあることは秘密にしておく。
「へ、変だと思った?」
声が震えていた。
幼馴染はコントローラーを置きこちらに体の向きを変える。
「私には無理だと思った?引きこもりで家から出れない私には無理かな」
幼馴染は泣いていた。
不安なんだすぐにわかった。
成長したんじゃなかった隠すのうまくなっただけ。
俺は幼馴染の頭を撫でる。
大丈夫。
お前は一人じゃないし、一人になんかにさせない。
「おいにとずっと一緒?」
ああ。お前がもう嫌って言ってもずっと一緒だ。
俺は笑った。
「うん、おにいと一緒に頑張る、そして・・」
そして?
俺は聞くと幼馴染はそっぽを向く。
「なんでもない」
幼馴染はもう、泣いていなかった。
あとがき
どうもあすペンです
読んでいただきありがとうございます
今日は投稿できました
言葉にできない不安ってありますよね
漠然とした不安が最後のシーンです
正直説明不足だなとは思いましたがとおしました。ので、ここで追記しときました。
次回は『かわいい幼馴染ちゃん』ですお楽しみに
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