第7話かわいい幼馴染ちゃん③

 今日は幼馴染ちゃんと買い物に来ていた。


 「うん~」

 幼馴染ちゃんは冷蔵庫を見ながら唸っていた。

 俺は携帯ゲームをしていた。

 どうかした?

 ゲームの片手間に聞いてみる。

 「それがさ、この間の買い出しのとき買い忘れがあったみたい。今夜食材だから、買いに行かないと」

 そう言ってエプロンを脱ぐ。今日は休日なので制服ではなく、私服だ。

 黒いTシャツにズボンスカートを着ていた。

 「なんか欲しい物ある?」

 幼馴染ちゃんに聞かれて少し考える。

 そういえば、お菓子がなくなったことを思い出し。

 俺も行くわ。

 「あ、そう?」

 俺は自室から上着を取りに行った。


 俺たちは家を出て暑さを感じる季節になっていた。

 「行こっか」

 マンションを出て近所のスーパーに向かう。

 「高校生になって結構経ったね」

 そうだな。

 幼馴染ちゃんはうれしそに話す。

 なんか、嬉しそうだな。

 幼馴染ちゃんはキョトンとして言った。

 「だって、君とのお出かけだよ。嬉しいに決まってるじゃん」

 近所のスーパーでも?

 「近所のスーパーでも」

 うふふっ。嬉しいに笑い。俺の少し先をゆき振り返る。

 俺はその姿にドキッとする。

 「君は楽しくない?」

 えー、まあ、普通だな。

 「えー何それ」

 幼馴染ちゃんは頬を膨らませた。

 これはただの照れ隠しだった。



 スーパーに着くと、やたらと混んでいた。

 「なにかあるのかな?」

 入店すとすぐにその答えがわかった。

 『今からマグロの解体ショーを行います。解体後は販売も行います。新鮮なマグロ今夜のおかずにいかがですか』

 「ねえねえ」

 なんとなくこのあとのセリフが思いつく。

 観に行くか?

 俺が言うと、幼馴染ちゃんは目を輝かせながら頷いた。

 

 鮮魚コーナにはすごい人で外からは観えない。ので、若干強引だが人を掻き分け少し観やすい位置に移動する。

 幼馴染ちゃんは背が低く観づらそうに背伸びをしている。

 「み、みえない」

 俺も観づらいので幼馴染ちゃんは何も観えないだろう。

 「もう少し」

 無理やり背伸びをしてバランスを崩す幼馴染ちゃん。

 「あ!!」

 転びそうな幼馴染ちゃんをとっさに掴む。

 大丈夫か?

 「う、うん」

 危ないだろ。

 俺は叱責する。ここで倒れたら幼馴染ちゃんだけじゃなく他の人にも迷惑をかける事になる。

 「ご、ごめん」

 しょんぼりする幼馴染ちゃん。

 少し言い過ぎたか?と思っていると。

 「ちょいとお嬢さん」

 ちょっと前にいたお婆さんが声をかけてくれた。

 もしかして先当たってしまったのかと思い、謝る。

 「いや、そうじゃなくて。こっちにおいで」

 お婆さんは手招きをしていた。幼馴染ちゃんはお婆さんの前に立つ。

 「お~見えるよ、おばあちゃん」

 お婆さんの前はほとんど子供ばかりで幼馴染ちゃんの背でも観ることができた。

 「ありがとうおばあちゃん」

 幼馴染ちゃんは嬉しそうに笑う。

 「いいんだよ。観えなかったら寂しいだろう?」

 お婆さんは優しく幼馴染ちゃん頭を撫でた。


 マグロの解体ショーは大迫力だった。幼馴染ちゃんのよりでかいマグロを刀みたいな包丁で捌いていく。

 解体ショーが終わると、試食が始まった。

 幼馴染ちゃんとお婆さんには危ないので離れてもらい俺が取り行く

 限定五十個ですぐなくなったが、なんとか2つてにすることができた。

 それを幼馴染ちゃんとお婆さんに渡す。

 最初お婆さんは遠慮していたが、食べてくれた。

 「ウマあ~~~~」

 幼馴染ちゃんは幸せそうに食べる。

 お婆さんも美味しわね。と言っている。

 「ねえねえ、晩ごはんこれにしない?」

 幼馴染ちゃんは提案する。

 確かに脂もノッて美味しそうだが、少し高いような気がする。でも、俺も食べてみたかったので了承した。

 しばらくは節約生活だな。

 お婆さんも気に入ったようで、買うみたいだ。

 『このマグロの販売券を配布します』

 試食が終わると、マグロの販売が行われた。

 販売券は争奪戦だった。

 争奪戦にも俺だけ参戦した。

 定員は、列を作るように言うが誰も聞く耳を持たなかった。我先にと、販売券を持つ定員の手から取っていく。

 俺も、負けずと人混みをかき分け定員に近づく。

 足もたくさん踏まれたがなんとか、定員から販売券を2枚手入れた。

 取ってきたぞ。

 厳しい戦いを終え、堂々見せたのは1枚の販売券だった。

 「1枚」

 幼馴染ちゃんは不思議さそうに首を傾げる。

 あれ?

 確かに2枚取ったはずだがどこかで落としてしまったようだ。

 ごめん。

 俺は責任感から謝る。

 今から戻っても遅いだろう。すると、お婆さんが。

 「それは、あんたが取ってきたもんだから。お嬢さんと食べなさい。じゃあ、私は買い物を続けるよ」

 そう言ってお婆さんは、この場から離れよとした時。

 「ま、待って」

 幼馴染ちゃんが止めた。

 そして、幼馴染ちゃんは俺の手から販売券を取りお婆さんに渡した。

 お婆さんは目を見開く。

 「いいのかい?」

 幼馴染ちゃんは頷く。

 「おばあちゃんには私が見やすいように場所をわけてもらったから」

 幼馴染ちゃんは笑って、お返しだよ。と、いった。

 お婆さんは納得したのか、幼馴染ちゃんの頭を撫でて。

 「じゃあ、ありがたく貰っとくよ。ありがとう」

 そして、俺達は別れた。


 良かったのか?

 日が傾き始めた帰り道俺は聞く。

 右手にはお菓子しか入ってない買い物袋を持っていた。

 「う〜ん、何が?」

 手ぶらの幼馴染ちゃんが聞く。そして、思い出したように。

 「あ~あ。マグロのこと、いいのいいの」

 少し先を行く幼馴染ちゃん。

 「そもそもそれが欲しくて言ったわけじゃ・・・」

 幼馴染ちゃんはマグロのことだと、思っているみたいだが違う。俺が言ってるのは。

 「ま、待って」

 どうやら思い出したみたいだ。

 「その袋はお菓子しか入ってないよね?」

 俺は頷く。

 幼馴染ちゃんの顔色が悪くなる。

 「晩ごはんの具材買い忘れた」

 買い忘れを買い忘れるというギャグみたいなことをする、幼馴染ちゃんだった。

 その日の晩ごはんは幼馴染ちゃんの家で食べました。


あとがき

どうもあすペンです。

かわいい幼馴染ちゃん、はどうでしか?

面白かったと思っていただけたら幸いです

また、今後の活動は近況ノートに書いたとおりです。見てなよ。て、方はぜひ一度読んでみてください

次回はクールな幼馴染さんです

お楽しみに

あすペン

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