第6話妹幼馴染②

俺の幼馴染は今日機嫌がすごく良かった。


 コンコン。ドアノックして、俺は声をかける。

 来たよ。

 ガサガサ、なからすごい音がした。

 「お、おにいやっと来た」

 今日は幼馴染が出迎えてくれた。

 何やら興奮状態だ。

 俺は部屋に入ると、そこは床の見えないくらいいろんなものが積んであった。

 また、随時と散らかしたな。

 俺は、床の漫画など手に取り本棚にしまう。

 「おにい、今はそんなことよりもこれ見てこれ」

 幼馴染はモニターを指さす。

 そこには、幼馴染が好きな最新ゲームのPV映像が流れていた。

 幼馴染はぴょんぴょんと飛び跳ねている。

 「これねFN3のボスキャラも出てくるみたいでさ」

 幼馴染の熱弁を聞きながら俺は部屋の掃除をする。

 幼馴染が言うFNというのはFANTASY NEO

というRPGゲームのことだ。

 このFNはシリーズをこれまでに7本も出すほど人気のある作品だFANTASY NEO

というRPGゲームのことだ。

 幼馴染はこの作品の大ファンだ。というのもこのゲームが幼馴染が初めてしたゲームということもあり。思い出補正もあるのだろう。

 「でね、今作はいつにもまして気合が入ってるの。って、聞いてるの?おにい」

 聞いてる聞いてる。

 適当に返事をすると、幼馴染はほっぺたをぷくー、と膨らませた。

 「絶対聞いてなかった」

 幼馴染は、おれの肩をポコポコ叩く。

 「ねえ、聞いてよ」

 聞いてほしいなら片付けを手伝え。

 俺は幼馴染のほっぺをモミモミする。以外にもさわり心地が良かった。

 「やえれぇぇ」

 おっと。

 思わず夢中になっていた。

 「もう、まったく」

 何やらブツブツ言いながらも手伝ってくる幼馴染。

 ほとんどゲームと漫画ばっかでフィギアやCD もあるが、他の物は見当たらない。

 だからだろう、俺はふと手に取ってしまったノートブックを。

 なんだこれ?

 そう言いながら俺はノートブックを開く。

 「え?なにいいいいいい」

 俺は中を見て絶句し幼馴染は声にならない叫びをした。

 なかは漫画だった。

 ただの漫画なら良かった。でも内容が義理兄との恋する妹の話だった。

 こ、これは。

 また、関係はぼかしてあるが登場人物が妙に俺と幼馴染に似ているのだ。

 お、おまえ・・・。これ。

 幼馴染見せよとした刹那俺の手元からノートブックはなくなっていなた。

 「こ、これは」

 口ごもらせながら。

 「たまたま書いてたら似ただけで、別におにいを考えて書いたわけじゃないし」

 顔を真っ赤にして目尻には涙をためながらいう。

 「ほんとのほんとに、ちがくてホントならいいなと期待してないし。でもホントは」

 お互い。

 幼馴染の言葉遮り言う。

 お互い何も見てないし。聞いていない、いいか?

 おかしな方向に行こうとしていたので、俺はそう提案する。

 幼馴染は何も言わずにうなずくだけだった。

 幼馴染はノートを机の引き出しにしまい片付けを続ける。

 しばらく気まずい時間が流れ、先に口を開いたのは俺だった。

 絵うまかったんだな。

 「くっ!!」

 幼馴染は近くにあった本を俺に投げつけた。

 その日以降幼馴染が部屋を散らかすことがなくなったのは、言うまでもないだろう。


 俺と幼馴染は片付けをひと通り終わらせ、ゲームをしていた。

 「ねぇ?今日は泊まっていかなの?」

 俺の太ももの上に座っている幼馴染が聞く。

 うん、今日は帰ってやることがあるんだよ。

 「そっか」

 あからさまにしょんぼりする幼馴染。俺は見かねて幼馴染の頭を撫でる。

 明日は休みだから、朝から遊べるよ。

 「ほんと?やった」

 きっと、尻尾があればブンブン振ってるんだろうな。

 「それとさ。あのさ」

 何やら言いづらそうにしている幼馴染。

 どうした?

 「え~とね。明日さ」

 うん。俺は頷く。

 「明日、べ、勉強をさ、教えてほしいんだけどいい?」

 べ、勉強。

 驚きのあまり声が大きくなる。幼馴染から、勉強を教えてほしいなんて夢にも見なかった。

 どうして?

 野暮な言葉は飲み込む。せっかく幼馴染が勉強教えてほしいと言っているんだ。

 ここは返事はもちろん。

 いいよ。

 それだけだ。

 幼馴染は嬉しそうに笑った。


 じゃあ、明日な。

 俺は幼馴染の部屋の前で別れを告げる。

 「明日、朝だからね」

 そう、念を押された。

 俺は階段を降りて、おばさんに帰ることを告げようとしたら。

 「ちょっと話してもいいかしら」

 おばさんはなにやら深刻そうな顔をしていた。

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