第9話 3年生②

3年生


「先生、見て。」


 耳の下にあるリンパが腫れてしまった様で、少女はその短い髪を少しだけ避けながら辛そうに見せてくれた。


「あぁ...痛いね。私もなったことがあるからよくわかるよ。きっと治るからね。」


「うん。前もなったことがある。やっぱ、痛い。」

と、しかし我慢強さを持って話してくれた。どうか治るといいのだが。


 さて、私が思うことはどんなことでも色々話しかけてくれる子たちの積極性やコミュ力がすごいことである。

 実は、自分が育った土地の隣の県で私は働いている。たかが隣県、そんなに人間性は変わらないはずだと思っていた。しかし、うちの学校はとにかく人懐っこい。なんなら、初日からこの距離の詰めようだった。


 彼らに助けられたことは幾度とある。

とにかく孤立しないのだ。話しかけてくれたら嬉しい気持ちが残るし、その連鎖が沢山続く。私も積極的に話しかける様になった。


 この子はただの報告だったが、それ以降私は会うたびにその子に「大丈夫?よくなった?」と聞くことができる。話しかけることができる。それは、私たちにとって嬉しいことの様だ。


 学校って嫌なことも共有しあえば、

いつしか笑いあっていることの方が多いと気づく。

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