第4話 4年生①


「先生、この服みてー!」


冬にはぴったりのモコモコアウター登場。

髪の長い真面目そうなその女の子には、とても似合っている。


「めっちゃかわいいの着てるね!いいなぁ〜!」

と一言。


「でも、先生の服もかわいいなぁ。」

来たよ。唐突な褒め攻撃。なんとも子供からのお褒めの言葉には弱すぎる自分である。

「よっしゃ、じゃぁ来てみる?」

「え、いいの?」


と、私のジャケットを渡してみる。


少し大きすぎた裾や丈が、なんとも・・・いい。

めちゃ、かわいい。


周りの女子が、

「ちょっと大きいけどすごく似合ってるー!」

と、その子を褒める。


その子は少し嬉しそうにしながら

「先生、ちょーだいっ」。


そのなんともかわいらしい姿に負けそうになりながら、

「だーめ。さ、もどしまーす」

と回収したのであった。


もう半年も経ったが、今でもその瞬間は脳裏に残っているものだった。

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