第4話
「えっ、茜。まさかあれが例の・・・?」
舞が目を丸くしてこちらをみている。
「うん、そう、あの優斗くんだった・・・。」
「ちょっ、本気で言ってる?九条先輩って、めちゃくちゃ有名だよ?!」
「えっ、そうだったの?」
「もうっ、茜って本当にそういうの疎いよね。
九条先輩はバスケ部の部長でエースなの。ファンクラブもあるぐらい女子人気すごいんだよ。
しかも、超頭いい国立大学の指定校推薦ももらってる、って噂だよ。」
「そ、そうなんだ。全然知らなかった・・・。」
ずっと忘れられない彼が、まさかの同じ高校の生徒だった。
茜はその事実を、いまだに受け止められずにいた。
「なんで気が付かなかったんだろ・・・」
「いや、まさかあの九条先輩だったとはね。苗字聞いておけばよかった」
舞もかなり驚いた様子だった。
「でも、ま、よかったじゃん。本当はまだ、好きなんでしょ?茜の顔見てたらわかるよ」
「えっ?!」
突然自分の気持ちを言い当てられ、戸惑ってしまう。
確かに、耳まで赤く、熱を持っているのが自分でもわかる。
だって、まさか、こんな身近にいたなんて。まさか、こんな場所でまた会えるなんて。
「こうしてまた会えたのもさ、運命なんじゃない?アタックしてみなよ。」
舞はポン、と茜の背中を押した。
「うっ、うん、わかった。頑張ってみる。」
「よっし!今日は学食おごってあげるよ。再会記念!!」
「なにそれー!」
二人でクスクス笑いながら、食堂へと向かっていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます