第5話「龍郎だとばれる」

前回のあらすじ

龍郎は垣見と名乗って宮殿にもぐりこんだ


垣見(龍郎)「いやー」

     「宮殿ってこんな見た目になってるんですね」

龍冷「知ってるくせに…」

垣見(龍郎)「何をおっしゃっているのですか?」

龍陽「それでは単刀直入に言う」

龍陽&龍冷&龍見「お前龍郎だろ!」

垣見(龍郎)「何を言い出すのかと思えば…」

     「なぜ死人の名前をいまさら…」

龍陽「立ってる姿がそれっぽい」

龍冷「声がそう」

龍見「見た目が近しい

垣見(龍郎)「それだけじゃ判断するのは乏しいよね」

     「はい、論破」

龍陽「じゃあはっきり言わせてもらう」

  「普通のドラゴンは宮殿に入ることを拒むんだよ」

  「だけど君は宮殿に入ることを喜んでいた」

  「それはなぜだ?」

  「それは自分がもともとここのドラゴンだったからではないのか?」

  「そしてこのすきに戻ってきた」

  「違うか?」

垣見(龍郎)「違います」

     「喜んで何が悪いんですか?」

     「喜んで悪い法律はないはずです」

     「喜ぶことはよいことです」

     「というわけで私は龍郎様ではない」

     「はい、論破」

龍陽「では君に龍郎の名前を与えよう」

  「これで君は龍郎だ」

垣見(龍郎)「お断りいたします」

     「だって血のつながりがありませんから」

龍陽「いや、これは決定事項だ」

  「命令である!」

  「垣見は今から龍郎だ!」

垣見(龍郎)「…御意」

龍冷「よかったな龍郎」

垣見(龍郎)「これは仕方なしだ」

     「まさか自分に不名誉な名前が与えられるなんて…」

龍陽「龍郎の名前を不名誉な名前と罵るんじゃない!」

垣見(龍郎)「でも、龍郎様は飛べないドラゴンじゃないですか」

     「そんなドラゴンの名前を関するなんて不名誉じゃないですか」

龍陽「確かに龍郎は飛べないドラゴンだったが…」

  「くそ…」

  「ここでも龍郎が飛べないドラゴンだったことが響いてくるのか…」

  「戻ってきてくれ!」

垣見(龍郎)「でも彼はもう…」

龍陽「くそ!」

  「拓弥将軍のせいだ!」

拓弥将軍「なぜ私のせいにするのですか?」

龍陽「うるさい!」

  「お前のせいで私の大事な息子が…」

  「本当ならばお前を断罪してもよかったがここに幽閉するだけにとどめておいてるんだぞ」

  「感謝しろ!」

拓弥将軍「解せぬ」

    「ていうか帰してくださいよ」

    「私には祖国があるんですから」

龍陽「うるさい!」

  「これ以上言うと断罪するぞ!」

拓弥将軍「お許しをー!」

龍陽「いいだろう」

  「今回だけだぞ!」

  「下がっておれ!」

拓弥将軍「御意!」


拓弥将軍は去っていった


続く

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