第3話「龍郎の報告」

前回のあらすじ

龍郎は龍陽のもとへ向かう


龍郎「父上!」

龍陽「なんだ?」

龍郎「龍冷が拓弥将軍を呼びたがっています」

龍陽「龍冷が拓弥将軍を?」

  「なぜだ?」

龍郎「おそらく謀反を起こすつもりかと」

龍陽「何!?」

  「なぜ謀反を起こす必要があるんだ!」

龍郎「自分がマスタードラゴンになりたいのでは?」

龍陽「馬鹿なことを…」

  「何もしなくてもこのままいけば龍冷がマスタードラゴンなのに…」

龍郎「え?」

  「私じゃないんですか?」

龍陽「逆に聞こう」

  「なぜ飛べないドラゴンをマスタードラゴンにする必要があるんだ?」

龍郎「そんな!」

龍陽「龍郎が飛べないドラゴンじゃなきゃな…」

龍郎「ぐぬぬ…」

龍陽「その様子を見ると龍冷が謀反を企てているというのはハッタリだったんだな…」

龍郎「くそったれ!」

龍陽「さて、本人に直接聞くか…」


龍陽は龍冷のもとへ向かった

龍郎は一人残された


龍郎「くそ!」

  「なぜこんなことに…」

  「やはり飛べないドラゴンはいけないことなのか?」

  「否!」

  「そんなことはない!」

  「飛べないことは悪いことではない!」

龍見「悪いことだぞ」

龍郎「龍見!」

  「なぜこの玉座の間に!」

龍見「龍郎兄上こそなぜこの玉座の間にいるんですか?」

龍郎「私は龍冷が拓弥将軍を呼ぼうとしていたのでその相談をしに来たんですよ」

龍見「兄上が拓弥将軍を…」

  「それはやはり龍郎兄上が原因でしょうな」

龍郎「なぜそれを…」

龍見「それ以外兄上が拓弥将軍を呼ぶ理由がないもん」

龍郎「確かに…」

龍見「それを謀反を企てているとか嘘ついて…」

  「なぜうそをついたんです?」

龍郎「それは…」

龍見「自分が飛ぶとか言いにくいから?」

龍郎「そうかも…」

龍見「それにしてもなんで嘘ついたの?」

龍郎「仕方なかったんだ!」

龍見「何が仕方なかったんですかねぇ…」

  「まぁいいや」

  「どうせ飛ぶことになるのだから」

龍郎「…わかってる…」

  「けど…!」

  「自分は飛ばないからな!」

龍見「そう思うならそうすればいい」

  「そうできるならな!」


龍見は去っていった


続く

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