第百十二話 みんなで変身、姿に関心
「……シェダルちゃん、なんか恥ずかしいよこれ」
「いいじゃないか! かっこいいぞ、その姿! デザインしたのは勿論私だ!」
「ってことは、さっきの音声も?」
「もちろん! 楽し気でテンション上がるだろう?」
「確かに楽し気だけど……恥ずかしい」
翔琉は自身の姿と先ほどの名乗りが恥ずかしいらしい、その気持ち、よくわかる。
愁と薫も何とも言えない感じで翔琉を見つめていたが……奴の彼女はというと……。
「え!? 何!? やば! 翔琉! 超カッコいいよ! 惚れ直しちゃったよ、ウチ!」
「そ、そうか……? ありがとう」
大興奮だった。
自分の好きな男が変身した姿でここまで興奮するものか?
よくわからんな、恋というのは。
「よし! じゃあウチも!」
「あ、俺も!」
「……」
3人は携帯を持って、掛け声を叫んだ。
「「スキル実装!」」
「スキル……実装……」
『『『イェーイ! レッツフィットイン!』』』
またも掛け声と手拍子が繰り返し鳴る。
3人だと余計にやかましいな、これ、モンスターが来そうで怖いわ。
3人は歓声に答えるように、携帯を嵌めた。
『弓スキル、アームド!』
『鎚スキル、アームド!』
『魔法スキル、アームド!』
悠里は緑、愁は青、薫は紫の閃光に包まれた。
『レディゴー! グリーンアーチャー!』
『キラフルミラクル! ブルーハンマー!』
『マージマジ! ヴァイオレットマジシャン!』
音声と歓声が鳴り響き、3人は、翔琉とは違う、特徴を持った装甲に身を包んでいた。
悠里は、ファンタジーに出そうな妖精を等身大にして、それをロボットにしたような緑の装甲を身に纏い、愁はボディビルダーのような屈強な体を鋼鉄にしたような青い装甲を身に纏い、薫は自身の魔法スキルの姿を紫にして、それをロボットにしたような見た目をしていた。
そして翔琉と同様に……
「グリーンアーチャー!」
「ブルーハンマー!」
「……ヴァイオレット……マジシャン!」
3人は、ポーズを決めて、名乗りを上げた。
翔琉と違い、悠里と薫は武器名を言うわけではないようだ。
……ということは、翔琉のレッドセイヴァーと愁のブルーハンマーは、武器名であり戦士名であるわけか。
確かにステッキとかアローをそのまま名乗るのはかっこよくないが、そこもシェダルの拘りなのか? ……というか音声といい、この見た目といい、どこで着想を得たんだ?
「すごいだろう? 全部携帯で色々調べてインスピレーションを受けたものだ!」
あーなるほど……携帯で色々調べたわけか……。
「すごーい! みんなかっこよすぎでしょ!?」
「そうかぁ? 俺……なんかゴリラみたいだな、3人は割とかっこいいよな……」
「……私の格好……かわいい……かも」
3人は各々自分の格好の感想を述べる。
みんなかっこいいと思う、流石に俺の悪趣味な金ピカと比べたら全然……
「それじゃ、このノリであの魔物を倒してみろ!」
「え?」
……と、くだらないことを考えていると、シェダルは頭で向こう側を差した。
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