第百五話 君らにお願い! 一緒に解明!
「さて、単調直入に言うが、君たちにお願いがある!」
「お願い?」
「なになに?」
「ウチらにお願いってどういうこと?」
「……?」
四人は興味津々だった。
俺も正直、それには気になった。
「私たちで、モンスター人間……『ヒューモンスター』の謎を解き明かそうではないか!」
……ん?
「ヒュー……モンスター? 何だよそれ?」
俺は聞いたことが無い単語に対して質問してみた。
一体何なんだ?
「あぁ、あの活動家の男が変身したオークモドキや、お前らと同じ学校にいたあのスライム人間の事だ、いちいちモンスター人間って言ってると、なんかしつこいからな、固有名詞を私が命名した」
いやいや、ただ人間を意味するヒューマンとモンスターを合わせただけじゃないか。
流石の4人もこのネーミングセンスは……。
「いいねそれ!」
「なんか言いやすいかも!」
「ウチ、気に入った!」
「……覚えやすい」
……賛同してしまった。
仕方がない、俺もそれに乗ろう。
「まぁ、立ち話もアレだ、鍵屋へ行こう」
「おいおい! 勝手にこいつらを家に招いたら叔父さんが……」
「既に卓郎さんには伝えた、『昇の友達を連れてくる』ってな」
「はぁ? なら安息の地でも……」
「安息の地は鍵スキルしか入れない、忘れたか? しかも紅茶セットを鍵屋に持って行ったから、そこに行ってもお茶を出せない、お前の友達にお茶ぐらい出さないとダメだろう?」
「……」
友達って、何勝手に決めつけてんだ、こいつらだっていい迷惑じゃ……。
「確かにここじゃあアレだな! 行こう!」
「お、おい……」
小松が賛同してしまった、こうなると結果は目に見えていた。
「だな! 金剛の家に行くか!」
「ウチも賛成……なんかもうモンスターの死体やら血液やら見てたら気持ち悪くて……」
「……私も」
はい、皆さん賛同いたしました。
なんで俺の……じゃない、叔父さんの家を会合の場に……。
叔父さんも何で許可するかなぁ……。
「そうと決まれば早速行こう!」
シェダルは転移スキルの鍵を取り出した。
羽田は気になったのか、それを指差した。
「なにそれ!?」
「見ていればわかるさ」
シェダルは鍵を刺して、変身動作を行う。
『転移スキル!』
「スキルチェンジ!」
『スキル解放! 移りたすぎる! 転移スキル!』
シェダルが転移スキルの姿になった。
「すっごーい! ……気になるんだけど、その音声、何?」
羽田が音声について尋ねた。
シェダルの答えは勿論……
「私の趣味だ」
これだった、だからなんなんだよその趣味っていうのは。
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