第八十三話 放て炎! それはやめろ!

 校庭に出ると青い液体状の物体が、イルカのように跳ねていた。

 あいつがモンスターに変身した奴か! ……見た目からしてスライムだろうか?

 俺は鍵を取り出し、変身した。

 ……ここはこいつだ!


『魔法スキル!』


「スキルチェンジ!」


『スキル解放! 唱えすぎる! 魔法スキル!』


  掛け声とともに鍵を回し、俺は魔法スキルの姿になった。

 前のダンジョン探索でも覚えた……スライムには炎だ!

 さぁて、炎……炎……炎!

 さぁ、炎よいけ! ……と思った瞬間だった。


「待て! こんなところでぶっ放したら周辺に被害が出るぞ!」


  シェダルが転移ホールから飛び出してきた。

 そ、そういえば魔法スキルって力が強すぎるんだっけ? すっかり忘れていた……。


「すまん、倒すことに集中しちゃってて……」


「構わん、場所を変えるぞ!」


 シェダルは転移ホールを作り、青い物体を吸い込んだ。

  奴をよく見ると、人型で、右腕と思われるところに、この間のオークも付けていた腕輪と携帯電話があった。


「あいつ……この間のオークの奴と同じ感じ!?」


「だろうな! ニュースで出現したとの情報があって飛んできた!」


「流石シェダル!」


「さぁ、もう少しで吸い込める! 行くぞ!」


「おう!」


  青色の物体と共に、俺とシェダルは転移ホールに入った。

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