第八十二話 謎のゼラチン、生徒が変身!?
『火事です! 火事です! 第二校舎三階で火災が発生!』
誰かが消火栓のボタンを押したのか、非常ベルが学校中に響き渡った。
火事と言っても、別に煙臭くないし、そんな様子もない……。
他の生徒も困惑の表情を浮かべていた、一部では、パニックになったのか立ち上がった。
「み、みなさん、落ち着いてください!」
授業を担当する、ダンジョン探索で俺たちを引率した眼鏡先生が落ち着くように言い聞かせた。
確かに、ここで慌ててもしょうがない、ここは落ち着こう……。
そんなことを考えていると、廊下から「誰か助けて!」「モンスター人間だ!」という声が聞こえてきた。
そして上から、窓ガラスが割れる音が聞こえる。
……もしかしてこれは。
俺は嫌な予感がして、教室を飛び出した。
「あ、ちょっと金剛さん!」
「おい、金剛! 待てよ!」
◇
俺は上の階へ向かった。
……そこに見えたのは。
「なんだこりゃ……」
青いゼラチン状の何かが、教室のドアから噴き出していた。
「これは……普通じゃない……」
思わずそう呟いてしまった。
「おい金剛! ……ってなんだこりゃ!?」
「金剛さんに小松さん! 待ってください……ってこれは!?」
後ろを追いかけていた小松と眼鏡が、俺と同じようにこの光景に驚愕した。
すると廊下に形態の着信音が響き渡る……眼鏡のだ。
眼鏡は早急に電話に出た。
「はい! ……えぇ!? 生徒がモンスターに変身した!? どういうことですか! 今は外にいる!? わ、わかりました! 生徒を教室に待機させます!」
生徒がモンスターに……やっぱり、これはただ事ではなかった。
俺は外へ急行した。
「あ、おい金剛!」
「はい! わかりました……って金剛さん! 小松さん!」
◇ ~シェダル視点~
『先ほど入ったニュースです! 県立祇園高校にて、生徒がモンスターに変身したとの通報が来たとのことです! 警察は現場に……』
「なんと!?」
卓郎さんが仕事に行って数時間経ち、そろそろ一人で何かしようかなと考えながら、ぼんやりとテレビを見ていたら、またもモンスター人間が登場とな!?
これは……陰謀か!?
県立祇園高校……それって昇が通っている学校ではないか! 昇が危ない! 急いで助太刀しなくては!
私は腰のケースから渦上の鍵を取り出し、外へ出た。
「スキルチェンジ!」
『スキル解放! 移りたすぎる! 転移スキル!』
私は特大マントを身に着けたかっこいい姿となり、現場へ急行した。
待っていろ! 昇! 今助けに行くからな!
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