閑話 暗闇の独り言

『速報です! 先ほど発生した国会議事堂前駅でのモンスター出現事件ですが、冒険者有志によって、どこかに消えたということです! 繰り返しお伝えします! 先ほど発生した……』


 男……ヒースは、暗闇でただ一人、ニュース速報を眺めていた。


「冒険者有志……この国の連中も中々やるようだな……まぁ、これはまだ前段階……潰されるのは計算の内だ」


 ヒースが独り言を呟きながらテレビを見ていると、一人の少女が、暗闇から現れた。


「ただいまー! ヒース! お使いやってきたよー!」


「おかえり、カルデナ、いい子だ」


「えへへ、褒められちゃった」


 ヒースは少女……カルデナの頭を撫で、『お使い』を終えたことを褒め称えた。

 カルデナはヒースがまじまじと観ていた青白い光を放つ箱を観た。


「なにこれ? 凄い事件だね!」


「あぁそうだね」


 カルデナはまるで他人事のように、事件について一言言った……ヒースもまた同じように同情した。

そして、ヒースはテレビを消し、歪な腕輪と携帯電話を出した。


「カルデナ、またお使いをお願いできるかい?」


「うん! やる!」


「今度はね……」


 ヒースはパソコンの画面を立ち上げ……名簿をカルデナに見せる。

 名簿に書かれた姿、名前、場所を見たカルデナは、元気よく答えた。


「……うん! じゃあ行ってきます!」


 カルデナは暗闇の奥へ消えていった。


「まだまだ……もっとデータを集めなければな……」


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