第47話 チュー太の旅 3日目

『3日目は特に何も無かったですね。前日のピーナッツを食べて、少し気怠い身体で進んだだけです。

あっ、そういえばカナヘビに会いました。急いでいるらしくて、背中に乗せたんですよ。

理由ですか?病気の母親に会いに行くって言ってました。

方向も同じだったので断る理由もなかったですから。話し相手にもなりますし。

そうそう、それで思い出しました。カナヘビのお話がまた独特で面白かったんですよ。

なんでも、カナヘビは変温動物だから気温と日光を気にするとの事。

寒い時は勿論、暖かい時も気を付けているらしいです。暖かい日光を浴びながら寝てると時々脱水で死んでしまうらしいです。

間抜けな話ですよね。寝過ぎて死ぬなんて。ネズミにもそんな間抜けそうそういないです。

昼頃にはカナヘビを送り届ける終わりました。ただ、御礼がしたいと言われてご馳走になったんです。出てきたのは虫でした。美味しかったですよ。

後は行ける所まで進んで、千切った葉っぱを食べたり布団にして寝ました。』




「3日目にもなると、歩くのにも慣れた?もしかして筋肉痛になってたりしない?」

 コロが尋ねる。

「そうですね。少しはキツかったですけど、やっぱりワクワクが勝っていて、気にならなかったです」

 チュー太は楽しそうに答える。

「今回は4日で山の麓まで行くって目的があったのよね?」

 ナナさんが確認するように聞いてくる。

「ええ、そうです。今回は何としても辿り着きたかったので、結構急いでました」

「私は旅をした事ないけど、今度はもっとゆっくりと出会った動物達と話をするのをオススメするわ。前進するだけが旅じゃないと思うわよ」

 何となくチュー太の焦りを感じていたナナさんが嗜める。

「実はヤタさんにも言われたんです。もっと、その時の動物と関われって」

「でも、仕方ないよ。初めての旅だし、今回は山の麓に4日で行くって目標もあるからさ。それに十分凄い冒険もしてるからね」

 コロが笑うと皆んなつられて笑い出す。

「それで、4日目は山の麓までたどり着いたの?」

 コロの疑問にチュー太は大きく飛び上がった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る