第2話 1. 創軍の翼 (1)

* 先にお知らせします。

私が連載するこの作品は韓国語のものを日本語に翻訳する過程を経るので連載速度はそれほど速くないかもしれません。

そして私の日本語が足りなくて皆さんが読むには足りないかもしれません。

もし読むのにぎこちない部分があれば知らせて、意見や質問があればいつでもコメントをお願いします。

もう一度私の小説を読んでくださる読者の方々に感謝します。


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その日も平穏な冬の日だった。

日帝から解放されて3年目の冬だった。

大韓民国は解放後、混乱と分裂、血と怒りが点綴された数多くの事件があった。

しかし、季節は変わり、まだ混乱が完全に消えていないが、伝統的な農業国家である韓半島の二つに分かれた二つの新しい国家は、冬を迎えてしばらく休息を取ろうとしていた。

しかし、山川は人間史の永楽などには関心がないかのように季節の服を着替えることだけに忙しく、その中で生きていく人々もまた生活の大きな流れをそれを追いかけるだけだった。


その徐々に変わっていく冬の情景の中に小さな田舎町があった。

一年の農作業を終えて裸になった田んぼの枕元に置かれた村は、写生大会の風景画と同じくらい懐かしい姿だった。

だが、その小さな村の隅にある村の3分の1は占めるほどの大きな瓦屋の姿はなんとなく目障りな姿だった。

そして、その瓦葺きの家の中の老人と青年、そしておばさんの姿は、ますますその風景とは似合わない。


古い日帝時代の大学生制服姿の青年は庭にそびえ立って紳士服を着た老人をにらみつけ、老人は怒りに満ちた姿でその若者と向かい合っていた。

そして、その間におしゃべりな姿のおばさん一人は、途方に暮れて二人の間に立っていた。

そんなにどれくらい沈黙が流れたのだろうか。

突然の怒声が屋根の上の瓦が鳴るほど響き渡った。


「こんな世の中にひどいやつを見たのか。

どうしてお父さんにそんな悪いことを言えるんだ! こら!」

「勝手におっしゃってください。

私も父のような人の息子になりたくありません。

まともな若い技術者たちを戦争に追い込んで死なせたのも足りなくて

今はどれだけ大金を稼いでみようと、どうしてそんなに狂ったことができるんですか。」

「それが私一人だけ豊かに暮らそうとしたのか。

そして、そんなに機械くずを売ってしまったのが、何がそんなに悪いんだ!」

「機械くずって! この国に残ったものは何があるんだよ。

その大切な飛行機を古鉄で売るということですか。

それでも反民特委(日帝時代、日本に賦役した売国奴に対する調査委員会)に出て、大韓民国の航空産業に多大な貢献をしたと言って回ったのですか。」

「うるさい。こいつめ」

そんなに凶悪な日本軍の飛行機を売ったからってこんな大騒ぎだなんて…

今すぐこの家から出て行け!

君のような親不孝な子は私の子じゃない!」

「何がどうするの?天皇の皇恩に報いると言いながら、日本銀行の融資を受けて会社を立ち上げ、多くの韓国の若者を戦場に送り殺しただけでは足りず、泣きながら嫌だとしがみついていた末っ子ヨンシクまで戦場に送り死なせたあなたのような人間の末宗売国奴が、今になって凶悪な日本軍飛行機だとあえて言うのか!」

私こそあなたのような人間をお父さんと呼ぶつもりはない!

私の方から先に出るよ! 」

「こんな天下に悪い親不孝な奴が自分の父を見て…! 」

「ああ、テイル(太一)! どういうことか。 それが…。

どうかお父さんに早く許しを請え。

お母さんが死ぬのを見たいの? 」

「お母さん、すみません。

しかし、私はあの醜い人間をとても許せません。

元気でいてください。」


青年はそう言った後、老人を厳しくにらみつけ、すぐ後ろを向いて走って行き、残った2人は怒りと切なさでどうしようもなく立っているだけだった。

家を飛び出した青年は休まず走り続けた。

彼の目にはいつの間にか薄い涙まで結ぼうとしたが、激しい冬の向かい風に流された。

そして、そんな彼の背後には村が急速に遠ざかっていった。



「空軍?その何の犬が草をかじって食べる音(バカみたいな言葉に対する韓国の俗語)なのか? 」


頑固そうな中年の陸軍大佐は、自分の前に立っている青年将校を見ながら吐き出すように話した。


「大戦中もそうでしたが、世界的な傾向から見て、将来戦で韓国軍には空軍が必ず必要です。 ぜひご検討ください。 」


大佐は眉をひそめて首を横に振った。


「とんでもないこと言うな。

たかが連絡機何機を持って何の空軍だと言うのか。

上部から知ったら無駄なことをするとすぐに怒鳴りつけるだろう。

だからバカなことを言っておいて、募兵業務でも手伝うように。」

「韓国軍に空軍がなければ、米軍は陸軍に何の戦闘機なのか」と言って、いつまでも戦闘機の導入を妨害しようとするでしょう。

北ではすでに新義州で空軍を創設し、戦闘機の導入まで行われているという諜報もあります。

私たちも急いで空軍創設の準備をしなければなりません。」

「こんなもどかしい人を見たか。 何と言ってもここは陸軍だよ。

そんな私たちがなぜ自ら損をしなければならないのか。

空軍創設のようなことを準備するよりは、大砲1門、車両1台が切実なのが韓国陸軍ではないか。

飛行機とは、日本の奴らが置いていった連絡機数機が全てである私たちが何の空軍を作るのか!

変なこと言わないで行って言われたことでもちゃんとしろ! 」

「でも陸軍だけでは何も....」


話を続けようとする青年将校に大佐は顔をしかめたまま手を振った。


「うるさい。私は忙しいから出て行け。

煩わしくしないで早く行ってしまえ。 」


青年将校は何かもっと話そうとしたが、自分に背を向ける大佐を見て、唇をかみしめ、敬礼もなく振り返ってドアの外に出た。

大佐はそのような青年将校の姿に鼻を鳴らし、目の前の書類を持って顔を隠した。



家を出てしばらくそのように走った青年は小さな店がいくつかある通りまで来てやっと止まった。

そして青年は腰を曲げて荒い息を吐き出した。

彼の顔は汗と涙でいっぱいになり、苦しい表情が歴然としていた。

そして、どのくらいの時間が経ったのだろうか···。

しばらくそのように息を吸っていた青年はゆっくりと腰を伸ばし、袖で荒々しく汗を拭いた。

そして、頭を上げた青年の視野に遠くに密やかに広がる田んぼの後ろに、自分が住んでいた村が見えた。

そのような平和な全景に青年は小さくため息をつき、ポケットに手を入れて何かを取り出した。

それはいくつかの硬貨と一枚の紙幣だった。


それを見た青年はもう一度ため息をついてから振り向いた。

そんな青年の前には小さな田舎駅が立っていた。

青年はゆっくりと駅の中に歩いて入り、待合室にどっかり座り、そのため誰もいない静かな駅の中が木製の椅子に引かれる音でしばらく騒がしくなった。

すると突然の騒音に駅長は無表情な顔で青年の方をしばらく眺めたが、すぐに首を回して自分の業務に集中するだけだった。


しばらく息を整えていた青年は、駅長室の中にちらっと見える太極旗が目につくと、そちらに首を向けた。

彼はもどかしさが混じった空虚な目つきでしばらく黙って太極旗を眺めた。

そして、もう一度ため息をつき、手に入れたお金を数えながらチケット売り場の方に足を運んだ。


青年将校は連隊長室と書いてある部屋を出て廊下を力なく歩いた。

しかし、彼はまだ何か未練が残るのか、連隊長室の方をもう一度眺めたが、すぐ首を横に振った。

それから彼は廊下をゆっくり歩いて建物の外に出た。

すると、彼の前に簡易滑走路と2台の古い複葉練習機が現れた。

それと同時に団体で駆けつけていたずるい古い軍服の飛行士候補生たちが彼を見て一斉に立ち止まり敬礼をした。

彼は候補生たちの敬礼を受けて手で休んで姿勢を命令した。

すると候補生たちは再び駆け足姿勢を取り、前に進んだ。

彼はますます遠ざかっていく候補生と練習機を眺めてため息をついた。


「おい、金貞烈(キム·ジョンヨル:韓国空軍創軍の主役-日本陸軍航空隊のエース)

何のため息をそんなについているのか. 」


青年将校は突然後ろから聞こえてくる言葉に首を回して振り返った。

その声の主人公は黒縁眼鏡の中年海軍将校だった。


「あ…孫元一准将(韓国海軍創軍の主役

「有望な陸軍将校が何のため息をそんなにつくのか。 」

「あれこれぶつかることが多くてですね。

「主兵(注:歩兵の日本軍俗語)出身の指揮官たちが皆そうでしょう。

准将こそ海軍兵学校の仕事はうまくいっていますか? 」

「何かがあってこそね。 海防兵団(注:海軍の前身)が警備隊に改称されたのはいいが、軍艦も装備も何もない。

今日もパイロットたちをちょっと貸してみようかと思って来たけど、全然助けてくれないね。」

「パイロットですか?海軍に何のパイロットが必要ですか? 」

「こんなもどかしい人を見たか。

海軍のように航空隊の助けが切実なところがどこにあるのか。

飛行機は何機か確保したが、私たちにはパイロットが全くいない。

それでも残っているパイロット候補生を陸軍が全部連れているから、ちょっと借りに来たんだって。 」

「え?飛行機がまだ残っていますか?

私たちは米軍が日本軍が残した機体をすべて海に張って古鉄で買って行ってしまったために残ったのはあの複葉訓練機が全てです。 」


そして金大尉は手を上げて古い訓練機を指差した。


「あれがキ-9というあの訓練機かな?

陸軍も思ったより事情が劣悪だね。 」

「ヤンキーたちが後で何台かもっとくれるとはいえ、それも自分たちが使っていた古い練習機だそうです。

暗たんです。本当に」


そのように不平を言う青年将校の言葉にソン准将は突然彼のそばに近づきささやくように話した。


「実はね。米軍が知らないうちに鎮海と麗水の方に隠しておいた日本軍の機体が少し残っているね。

米軍の戦闘機よりは性能が落ちても、それでもまともな戦闘機と攻撃機だ。」


それに青年将校は飛び跳ねるように驚いたが、ソン准将が腕をぎゅっと握っていてやっと落ち着くことができた。


「どうやって隠しておいたんですか?

いや、それより何がありますか? 」

「実はそのために君にもちょっと相談したかったんだ。

金大尉が最近空軍創設のために準備しているそうだが、本当なのか。」

「実は今日もそのためにひとしきりやって出てくるところです。」

「それなら話が早いだろうね。

あなたもご存知のように、今現在の情勢から見て、米軍は私たちに航空戦力を保有することを望んでいないね。

しかし、韓国のように規模も小さい軍隊に航空戦力さえなければ、この国の軍隊は警察も同じではないか。

敗戦した日本の自衛隊でさえ、君が日本軍時代に乗っていた飛燕で空軍を作るというのに、韓国軍は駄目だというのは話にならないんだよ。」

「それでは何か考えがあるのですか? 」

「数日前に大統領にお会いしましたが、大統領も空軍や

海軍航空隊の創設を望んでいらっしゃるね。

アメリカからいらっしゃった方だから航空戦力の威力がどうだということはよくご存知の方だからね。」

「なるほど」

「まだ噂ばかりだが、あなたもご存知のように国民の寄付金と国内の金持ちが出す献金で資金を調達し、趙炳玉(チョ·ビョンオク、韓国の政治家)博士のような方々がヨーロッパに武器を購入するという噂もある。

だからその時に備えてでも私たちも準備はしなければならないね。 」

「ヨーロッパに武器購入をしに行くなら、それを待とうということですか? ”

「いや、実は北朝鮮ではかなりの規模の空軍が作られているという噂は公然の秘密ではないか。

幸いなことに、実戦経験を持つパイロットのほとんどが日本軍出身なので、パイロットの確保がうまくいかないようだが、戦闘機だけでもすでに100機以上導入されたようだ。

ところで、このような状況で、私たちがすぐに立ち向かう戦力が全くないというのは話になるだろうか。」

「そうなんですけど…」 ”

「そしてパイロットというのは、一朝一夕ですぐに作られるのではないでしょうか。

一刻も早く操縦訓練をさせ、戦闘機に合った訓練をしておかないと、欧州から戦闘機を持ってきても使えないじゃないか。

そのため、日本軍の余剰機をできるだけ早く戦力化しなければならないというのが私の考えだね。 正直、今も少し遅れた気がする。」

おっしゃることはわかりますが、一体確保した機体がどのくらいあるので、そんなに急いでいるのですか?

編隊を成す程度にはなるんですか。」

「今確保したのは、レイセン(注:ゼロ機)1機と艦載攻撃機8機、そこに高高度偵察機2機だ。」

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