こんな会社から出版オファーが来たら要注意

 何度も言いますが書籍化したらそれで「終わり」ではなくてそれが「始まり」なのね。カクヨムの評論はPVが読まれるには?とか書籍化するにはという入り口のことまでの評論やハウツーは多数あれどその先の情報が無いってだけでも爆死作家があまりにも多いって事なんだよ。そうでしょう?


 でね、世の中にもまともな出版社があるのと同時に危ない出版社があるわけだよ。全部とは言いませんよ。でも高確率でたぶんそうですよってことを言います。


1:資本金が999万円以下の超零細企業(時代が時代なら旧有限会社法に基づき「有限会社」になる。つまり個人商店規模の出版社。もちろん一般人は名前など聞いたことすらない)。なお資本金が299万円以下だと昔なら有限会社にもすらなれず合資・合名会社(無限責任の会社)となる。このように「法人格」というのはつい最近まで資本金で信用度を現していた


2:やたらと電子出版ばかりアピールする会社(=取次会社との付き合いすら出来ない)。打ち切る時は即決・瞬時


3:本社事務所がマンションの一室(下手すると事務所の中を見せてくれない、本社訪問を断られる)だったりシェアオフィスだった。だから打ち合わせはいつも喫茶店、下手するとリモート


4:代表電話番号すらHPに載ってない(都合が悪くなったら出版社側がガン無視できる体制にしてある)。あるいは代表電話番号が携帯電話のみ。渡された名刺も氏名・肩書・メールアドレスと携帯電話のみ記載


5:「お問い合わせ」のメールアドレスがフリーメールだった


6:資本金が1000万円以上の会社でも極端に売り上げ規模が小さい会社、または昨年の売上高を公表してない会社


7:打ち切り率が高い。国立国会図書館でその会社名を打ち込んで検索することで既刊本をチェックすると「打ち切り率」が分かる。その出版社の既刊本のラノベがどのくらいの割合で完結してるかを確認せよ。普通の最終巻は帯に「堂々完結」って通常はあって「あとがき」には完結お礼を筆者は書くので本当に完結したかどうかなんてのはあとがきの内容で分かる。打ち切り作品の場合は読者に「ありがとう」とか言わない(言えない)。打ち切り作品の最終巻は高確率であとがきコーナーさえ無い


8:まだ1巻目すらも出してないのにいきなりコミカライズの提案もしてくる


9:WEBアルバイト雑誌で「校正」や「編集」の業務請負の募集をよくかけている(「ライター + 業務請負 + 募集」で容易に検索できる)


10:トイレが汚い(不潔、勤労意欲無)


11:電子書籍+電子コミカライズでのオファーだった(売り上げが少しでも悪いと即で打ち切る気まんまん)


12:経理係がよく退社する(会社の状況がヤバイと経理の仕事で分かるから。「よく」とは1年以内でかつ正社員の退社の事だぞ)


13:表紙絵が生成AIで作られたものだった(著作権法違反→次のページへ)


14:自社の会社案内パンフレットが無い(出版社なのに自分の会社を説明する出版物すら作れないという意味)


 こういうのが危ない出版社です。どれか三つ以上当てはまったら要注意出版社だ。だから我々書き手側も「ブラック出版社データ」っての作るべきだと思うんだよね。出稿料未払いがあったとか社長が脱税してましたとかね。下手すると本物の裏社会系の出版社だったなんてなったら目も当てられないからね。


 だって仕事で企業に訪問するのに自社の応接室すら見せてくれないなんて「怪しい会社」の代名詞やんけ。しかも書き手もいい齢こいた社会人なのに案外舞い上がってるのか危ない・怪しいと見抜けないんだよね。業務請負で常時募集をかけているのは東京都最低賃金すらも払えませんという会社だ。そうやってやりがい搾取してるわけ。この国は何から何までフェイクっすよ。まあそれでも「フリーライター」という職務経験に職務経歴書に書けるぞって事で応募者が絶えないのでしょうね。本当にしょうがない業界だよね。


 名門大手出版社ですらラノベ作家って使い捨てなのに……こんな会社に当たってみ? やばいぞ。といっても君が地方在住だと本社事務所がマンションだったってあんまり見抜けないんだけどね。だから会社情報ってとこをよく見てみ? いかにも「マンションの一室」ってとこはやばいぞ。


 それ「築50年超の安い雑居ビルすら借りられないほどの経営力の会社なんです」って自分で無言で言ってるようなもんだからね。君はそういう会社に就職したい? 公募というのは就活と同じだと思った方がいいよ?


 こういう超・零細企業って本当にソシャゲのように突然会社そのものがサ終するからね。つまり会社倒産で打ち切りという事態だってありえるんだ。そこから這い上がれるのは至難の業だよ? 債権者が君の版権を買って再刊行しますって言う例もまれにあるけどね(これを「レーベル移動」という。要著作権登記)。


 中にはこんな超・零細出版社だけど元大手出版社の編集長で定年後に独立開業しましたみたいな「凄腕」の編集長という宝の山を当てたなんてラッキーな例もあるけどそんなのは超・レアケースだと思って。なお「電子」のみだとまず図書館側が購買できないので官需を丸ごと失うから打ち切りの最有力候補だと思って。しかも電子だと記録に何も残らないからね。


 もっと酷い出版社になると「納本忘れてました。ISBNコード無いんで君の作品は永久にこの世から失われました」ってことだってありえるからね。紙媒体と違って電子書籍は納本率低いからね。だから灰色文献って言うのだし。一応国立国会図書館への納本は電子書籍でも義務だけど。だから零細出版社の会社で電子書籍オンリーの本に「ISBN」があるかどうかを確認してみ? 978から始まる番号の事だぞ。無かったら「ヤバイ会社の最有力候補」だからね。ということで最強に危ない出版社は「納本制度すら理解してない会社」だ。こういう会社は出版社としての基本のきの仕事すらも出来ないって意味だ。


 カクヨムの評論ジャンルで書いてる人に言いたいけど……カクヨムコンの攻略情報もいいけど「その後」の方がもっと重要な情報だということを忘れてないか?


 じゃないと君が「追放・ざまぁ」されるぞ。出版界から。


 出版社超・ブラックリストってこんな感じだな


1:社長・会長が脱税で逮捕

2:出版社が税金滞納・社会保険料滞納で差し押さえられた経歴がある

3:社長・会長が薬物で逮捕

4:社長・会長が詐欺で逮捕

5:出稿料未払い歴あり

6:社長・会長が汚職で逮捕(土建業系から進出してきた出版企業が割と危ない)

7:納本してない本がざらにある(国立国会図書館法違反)

8:社員に給料未払い歴あり、社会保険未加入歴あり、労災隠しあり

9:倒産歴あり(民事再生・会社更生)


 もう一回言う。「公募」ってのは「就活」と同じだと思ってくれ。君はどんな会社でも入れたらいいのか? そんなわけないよね? だったら出版物だって同じだよね?

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