下手にラノベの公募に当たると悲惨

 君は宝くじに大金(億単位の大金)で当たったことがあるか? 当たった人の人生ってその後幸せになってる? 高確率でなってるわけないよね。つまり当たったら人生が悲惨になる可能性の方が極めて大きいんだ。そうだよ、高確率で打ち切り作家になって悲惨な目に合うんだ。だからラノベ書きを趣味の範囲にとどめておいた方が君の人生にとって幸せになれる。


 本当に君が作家人生の道に歩みたいのなら何度も言うようにまずここに居ちゃだめだ。文芸誌に公募しないと。仮に「ここに居ても私は本気です。作家になります」というのならラノベ受賞歴を踏み台にしてそれこそ直木賞・本屋大賞を目指すぐらいでないと。それで並以下の大衆文学作家になれるかどうかだ。 出来るか? 高確率で出来ないだろ?


 だから公募に当たらない方がいい。


 本物の新人賞に受賞したら君は子弟関係も持つことができる。そうだよ。大作家先生の指導を仰げるんだ。それが文壇って世界なんだ。ラノベはこういった「文壇」の世界の構築に失敗してるからラノベ作家が消耗品になってるんだ。


 本当に公募を真剣に望む人はもう文壇の世界に居ないと駄目なんだよ。


 あのね、本当に作家目指すのならね大先生にアポイントメント取って「先生! 私の作品を見てください!」と言って原稿を差し出すぐらいの覚悟で臨まないと駄目なんだよ。もちろん「これはクズだ」と言われて原稿用紙をゴミ箱に捨てられる覚悟を持ったうえで臨むんだぞ? これは新人賞受賞後の世界だと特にそうだ。それで文芸にも「流派」ってもんが出来るしそれが「世間」なんだよ。分かる? 残念なことにラノベには「世間」が無いんだ。WEBの世界でパーソナル空間(孤独空間)に閉じこもってる残念な世界のソロ集団なのね。だから文壇から「ラノベは文壇じゃないから」って言われちゃう。


 しかもラノベ作家はWEB上の感想で筆を折る人が居る。これは文壇じゃありえないんだ。文壇は文壇同士で評価する人・される人であって読者が評価する世界じゃないんだ。だから「先生」と呼ばれるのであって気軽に読者が作者に攻撃だのモノ申す世界ではないんだ。「嫌なら私の作品を見るな!」と読者に言えるのが本物の作家なんだ。作家というのは読者から遠い世界で居なくてはいけないんだ。だから「ラノベ作家は作家じゃない」って文壇で言われてしまう。君は作家がなぜ「先生」と呼ばれるのかよ~~~~く考えよう。作家は後進作家を育てるからこそ「先生」なんだ。


 ちなみに文壇に居る人って言論人でもあるから文化人として政治や社会に物を申す権利まである。だから作家という職業人はエッセイまで書くんだよ。作家先生ってのはね、安っぽい存在じゃないんだ。作家は「ペン」を持つ武器と責任があるから「先生」と言われるんだ。これを社会学では「オピニオンリーダー」という。しかしラノベ作家が政治や社会に物申す姿を私は見たことが無い。つまりラノベ作家にエッセイやコラムの依頼はほとんど来ない。来ないから副業収入も無いという極めて厳しい立場にある。専業ラノベ作家というのはそのくらい不利な立場だし長年……先輩ラノベ作家たちが不利な立場に自分で向かった結果なんだ。


 よく考えてみ? 作家から政治家になった奴なんて腐るほどいるぞ。でもラノベ専業作家から政界に進出した奴いるか? よ~~~~~く考えよう。作家って職業の社会的地位は本来高いんだ。


 しかもツイッターで不用意な発言をするとラノベ専業の場合はラノベ作家ごと消される。これ文壇ではありえないんだ。作家の思想と作品の思想は一体であるけどどんな不適切発言だろうが言論の自由を守る義務が出版社側にはあるんだ。出版社側に言うけどそれ言論の自由ですからね。ラノベ以外の作家側が重大犯罪を犯した場合なら普通は代わりの作家に代筆させるなどいくらでも手を打つ。「作品に罪はありません」と各巻ごとに一言添える事も通常は行う。そのくらい「言論の自由」と「表現の自由」は重いのだがなぜかラノベ作家にはほぼ適用されないという重大なことも言う。下手すると出版社側から「不用意に政治的な発言等をしないでください」という作家人生として屈辱的なことを言われる・書かされる可能性すらある。もはや出版界にとってラノベ作家は「作家」とすら看做していない可能性が大きい。それが、ラノベ作家の社会的地位だ。だからラノベ作家をスタートアップにした人は必死に大衆文芸やライト文芸の世界に逃げようとするんだ。なぜなのか、もう分かるよね。


 文壇を作れなかった既存のラノベ作家は万死に値する。なぜなら文壇とは同じ文壇に属す者を守るギルドでもあるからだ。


 私の言ってる意味が分からなければ「職業」でものを書くのは止めなさい。

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