第3話
とある朝、目覚めると自室のイスにネファーが腰掛けていた。
「やあ、輝眠。突然だが、目が覚めたならカーテンを開けるよ」
わ、眩しい、、、
「起床した後に朝日を浴びるのも、夜の睡眠には効果的なんだ。明日から試してみてくれ」
「は、はい。分かりました、、、」
ネファーや母親に見送られ、学校へ行く。親しい友人はいないし、頼りになる先生もいない。正直気乗りしないが、行かないと親に心配されるので仕方なく行く、と言った感じだ。だがその日、教室でとある噂を耳にした。
「ねえ、聞いた?最近異星人が街を侵食してきてるって話!」
「うん、僕も知ってる!おじいちゃんのお母さんのいとこの知り合いが見たって言ってたよ!小柄だけど力持ちらしいね!」
、、、まさか、、、
その日の晩、いつも通りにネファーは姿を見せる。
「輝眠、君さえ良ければこの前の絵本の続きを、、、」
「ネファー、あなたは何者なんですか?本当に睡眠協会なんて存在するんですか?」
その問いに、小人は少し考え、そして、、、
「僕はネファー、君を寝かしつけるために睡眠協会から来たのさ。本当さ、嘘じゃないよ?」
と、はぐらかしてきた。そして、絵本の読み聞かせをする。
「村へ反旗を翻すことを決めた木こりは、森の動物たちの力を借りることにしました。情報収集は小さい虫、地上の攻撃は大型の熊、空中からの奇襲は鳥たちに頼みました。作戦は次の通りです。虫たちに逐一報告してもらった村の状況を参考に、最も効果的な攻撃を考案し、熊や鳥たちが村に総攻撃を仕掛けるというシンプルなものでした。作戦実行当日、いつも通り村人たちは村長の小屋で開拓のための会議を行い、森を切り拓く準備を進めていました、、、すると徐々に聞こえてくる足音!何事かと思い外へ出ると、森の動物たちがそこら中で暴れ回っていたのでした。『やめてくれ!これ以上村を荒らされたら我々は生活出来なくなってしまう!』村人の声に動物たちは耳を貸しません。『お前たちは平和な暮らしをしているから武器を持たない。平和ボケしてるから反抗できないんだ!』森の動物の言葉は真実を述べていました。きっとこれからも平和な暮らしが永遠に続くと思っていたのでしょう。自分たちの行動が他者を傷つけていたとも知らずに。『お前たちの要求はなんだ!?出来ることならなんでもするから許してくれ!』村長の言葉に、森の動物たちと共に村を壊していた木こりは答えます。『必要以上の森林の開拓は辞めることだ。俺たちはそれ以上は望まない。森に住まう動物たちは住処を追われ、行くあてがなくなりつつあるんだ』その言葉に村長は答えます。『わ、分かった。我々は自分たちのことしか考えていなかった。本当に済まない、、、!』その日から村と森は協力して、増えすぎた木々を切り倒したり、必要以上に開拓をしないように気をつけ、川に橋をかけたりして、共に発展していくのでした。お終い」
「良かった、彼らは分かり合えたんですね」
「ああ、気付かないうちに自分勝手になっていることが現代人にもあるだろ?これはそれを風刺しているのさ。それはそうと、輝眠、今日はまだ眠れないみたいだね。それなら取って置きの子守唄を歌おう」
ネファーは聞いたことのない言語で聞いたことのない歌を歌う。それは、どこか儚く、どこか夢見ごごちな、、、
翌日、起きると机にネファーの書いたと思われる置き手紙が残されていた。
「君はもう1人でも眠れる。僕はもう要らないんだ、だからこれでさよならだ」
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