第2話 僕は元気なサラリーマン

言い訳を聞いて欲しいんだが、僕は実は昼間は元気なサラリーマンである。多少テンションは低いものの、割と仕事もテキパキやるし、人前にも進んで立つ。


上司への笑顔だって引き攣りながらも出せるし、相手の気持ちもくみとっている。出来るサラリーマンではないけれども、友人関係も良好。誰もまさか僕がこんなに弱音を吐いているなんて思わない。死ぬはずなんかないと思っている。そりゃそうだ。だって僕は相談にだってよく乗る。「頼りがいのある人物」をやっているのだから。みんなは悪くない。けれど、不思議だ。僕はこんなに死にたい夜がある。


何かあった訳では無い。いや、正確にはあったんだけど、それがいつの間にか有耶無耶になって、気付けば死にたいだけが残っている。蟠りを残したまま眠れなくなって、気付けば明日も憂鬱になっている。


表には出さない。だって、かっこ悪いから。

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