第4話 練習

 「先生おはようございます」


 「おはよう蓮。そんなに眠たそうな顔をして、昨晩はあんまり眠れなかったか?」


 「すみません心配かけてしまって、少し悩みごとしていただけなので」


 「悩みがあるならわしで良かったら聞くぞ?」


 「先生の大事な時間を僕に使って戴く訳にはいきませんし、そんなに大した悩みではないので大丈夫です」


 「蓮がそう言うのなら良いのじゃが…」


 「それはそうと、わしが今から朝御飯を作ってやるからそこで待っておれ」


 「ありがとうございます」


 

 

 「いただきます」


 「凄い美味しいです!」

 

 「そうかそれなら良かった。美味しいと言ってくれる人が居ると言うのは良いもんじゃな」


 


 「春も起きたことだし今日から始める練習を行う練習場に向かうぞ」


 「ここが練習場じゃ!」


 俺の目の前には最新技術を詰め込んだ男心を擽る練習器具が広がっていた。

 

 「ただ銃のじゃがな。短剣はここの隣じゃ」


 羨ましく思いながら銃の練習場を去る。


 連れてこられた場所には最低限の整備しかしてないと思える練習器具があった。


 「もしかしてここでやるんですか?」


 「そうじゃ!」


 俺が意図的ではないが溜め息を吐くと、隣に居た春がこちらを睨み付けてきた。


 「と言っても今日は刃の無い模擬刀を使って二人で戦ってもらうのじゃがな」


 そう言われ模擬刀を手渡された。


 「各々準備体操したら自分なりの仕掛ける体勢をしてくれ」




 俺と春は準備体操を済ませると向き合った。


 「制限時間は無制限、どちらかの模擬刀が相手に触れるまで。開始!」


 俺たちはぎこちなくなりながらも戦った。


 会話をあまりしてこなかった為か攻撃することに抵抗は無かった。


 この学校に入れただけあり春の運動神経は凄まじく俺の攻撃を躱し続けていた。


 何度か春の攻撃が当たりそうになった。

 

 しかし俺は春が足を滑らせ転んだのを見逃さず、模擬刀を春の首に軽く押しあてた。


 すると春は持っていた模擬刀を放した。


 「そこまで。二人とも初めてとは思えん動きじゃったぞ」


 俺は望み薄だったが春を起こすために手を伸ばした。


 すると驚いたことに春は俺の手を握ってきた。


 「手、ありがとう…」


 「お、おう」


 「春、運動神経良いんだな。良い戦いが出来たと思うよ」


 「そ、ありがとう」


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