第3話 秘密
「短剣の秘密とは…」
「複数のコンビを持てると言うことじゃ!!銃をコンビとしてる者は他の者のコンビを持とうとすると弾かれる。しかし、短剣は弾かれずに持つことが出来るのじゃ!!どうじゃ凄いじゃろ」
「すみません。それの何が凄いんですか?」
「お主!この凄さが分からんのか!ならばお主に教えてやろう。複数持てると言うことは何かこう…何と言うか…その……。と、とにかく他のコンビと違って凄いのじゃ!」
春が「何故分からないんだ」と言わんばかりにこちらを睨み付けて来た。
これは俺の理解力が乏しいのが悪いのだろうか…。
「凄さを理解するかしないかはさておき、これから晩飯じゃ。わしが腕を振るって、真心を込めて作ってやるから、お主らは慣れない環境で疲れておるじゃろう。自室でゆっくり休むと良い」
「楓ちゃんの料理楽しみだな~」
「ってか一応言っておくけど私の部屋を覗いたり、入ったりしないでよ。普通に気持ち悪いから」
ベットに横たわると全身の力が抜けていった。
何故、春は俺にあんなに高圧的なのだろう…。
俺のコンビが銃だったらこんな事にはなって無かったのだろうな…。
深く溜め息を吐くと俺の記憶は途切れた。
ピンポーン ピンポーン
「蓮、起きとるか~?晩飯が出来たぞ~早く起きないとわしが全て食べてしまうぞ~良いのか~」
「先生、ごめんなさい。寝てしまっていて…」
「疲れていたんじゃろう。仕方がない。今日の晩飯はカレーじゃぞ」
「それじゃあ三人で一緒に食べるぞ」
「ちょっと待って!」
「どうしたんじゃ春?」
「楓ちゃんと一緒に食べるのは聞いてたけど蓮君もいるなんて聞いてない!それなら私、楓ちゃんには悪いけど自分の部屋で食べる!」
「すまんな蓮。わしが誘ったせいで蓮を悪い気持ちにさせてしまったな」
「先生が謝ることじゃないですよ。僕が春に何かしてしまったのが原因だと思うので…。僕で良ければ一緒に食べません?」
「そうじゃな」
俺たちは先生の作ってくれたカレーを食べていた。
「そう言えば先生」
「なんじゃ?」
「短剣は毎年一人はいるらしいですが、僕たちの先輩方はどちらにいらっしゃるのですか?」
「お主らの先輩はもういない…。申し訳ないが理由については話したくない。食事中に暗い話はしたくないからな」
「先生が話したくないのなら訊いたりはしませんよ」
「そっか。ありがとな蓮」
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