人生大破壊砲を打たれた可哀想な僕の話

 このタイトルでラノベ1作品書けるな、なんて思う。

 勿論主役は僕で、ヒロインが紫苑。

 いやはや、事実だから困るね。


 昨日、紫苑が変なことを言い出した。

 あのときは「あらかたわかる」とか言ってたけど、いざとなると自信がない僕。

 全く僕らしくて仕方がない。


「瀬戸君おはよ。ねね、早く終業式行こうよ」

 あれから紫苑に変化はない。

 それでもあの日の帰り、僕達は何も話さなかった。

 夜の静けさを壊さないかのように。

「明日から夏休みだね!何する?」

「何もしないよ」

「チューチュートレインでもしよっか」

 なんて、普段通りの会話をしてみたり。



 校長の長ったるい話だを聞き、適当に夏休みの説明をなんやかんや受け、ちょくちょく学校に来なきゃいけないことに絶望する。

「文化祭、ダルかったね」

 1学期を振り返る紫苑の言葉はそれだけ。

 ちなみに高3になって、ろくに友達も増えなければ変わりもしない。

 寧ろ僕は減ってるくらい。

 紫苑への依存度が増してきてる。

「瀬戸君はいよいよ、私だけのものになってきてるし?」

 思考が読まれた。

「そんなことないよ」

「そんなことあるよ?」

 何言ってんのさ、みたいな顔で僕を見る紫苑。

 図星。

 "余計なダメージをくらった!"

 "瀬戸のライフはもうゼロよ!"

「思えば紫苑、去年はあれだけ文化祭楽しんでたのに」

「いやいや、今年も地獄よ地獄。女子って怖いね〜」

 他人事みたいに言った。

 自分ももれなく女子だし、なんなら紫苑も怖いけどね!

「僕は今年は無傷だよ」

「瀬戸君は毎年無傷じゃん。あ、去年はそんなことないか」

 なんて、紫苑とちょっと、今年の文化祭を振り返り始めた。

 時期に忘れて、記憶の彼方に散り散りとなるであろう、淡い思い出を。

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