黒い方までブイチューバー!?編
第2章1話 白い方、曲作るってよ
あの事件から...1ヶ月たったある日、私雪風はくあこと白は親友兼実質的マネージャーの要とカフェで会議をしていた。
「え!?曲を作りたい!?」
「ちょっ声大きい(ボソッ)」
「あっごめん、それで曲が作りたいってどういうこと?」
「そうこれは昨日のこと...」
「あ、回想にはいるのねこれ」
〜***〜
「しろしろしろ♪まっしろしろ♪さぁ〜♪どうし〜よ〜♪」
お風呂から上がってきた黒が上機嫌に歌を歌っている。
「どうしたの?機嫌いいね黒」
「へーん!そう見える?」
「うん」
「理由は内緒〜」
「えぇ〜そりゃないよ〜」
「じゃあ変わりに、一つ好きなこと一つ聞いてもいいよ?」
「えぇ〜?そうだなぁ...じゃあさっきまで歌ってた曲何か聞こっかな〜しろしろしろ♪ってやつ」
「えーそれぇいいけど」
「やったー!」
「この曲はねお姉ちゃ、違う違うはくあの!はくあのテーマソング...」
「はくあのテーマ...」
「こういう曲とかあったら良いな〜って思ってみたりしてさ...だってほら!歌うおね...はくあはとっても可愛いんじゃないかなと思ってさ」
〜***〜
「可愛い過ぎでしょ!私の妹!こんなん作ってあげるしかないじゃん!」
「思いっきし公私混同するじゃんこの変態クソ姉貴」
「うへへへへへへ照れるなぁ」
「褒めてないんだわ」
妹に正体がバレてることが分かってから、なんか明らかに妹バカが加速している。元々そういう素質はあったのだが今はなんか...もっとバカになっている気がする。そのうち私妹と結婚するとか言いかねない。
白は私と結婚するのだ、そんなことはさせない
「確か要にも妹がいるんでしょ?だったらわかると思うんだけど」
「確かにいるし姉妹仲も良好だと思ってるけど、流石にそこまでは無いかな...それはもうシスコンの域だよ」
「えぇ〜!」
「とにかく!曲作るのって本当に難しいんだから!そんな思いつきで出来るもんじゃないの!」
「そういって本当は出来ないだけじゃないの〜?」
「なんだと?」
「そうやって難しいアピールして自分が出来ないの隠してるだけなんでしょ〜」
「舐めるな富谷要に無い才能(もの)はない」
結局やることになってしまった...まあ元々白との結婚式のBGMは自分で作ろうとして練習してたし良いか、できるだけ頑張ろう...
〜***〜
あの相談を受けた後、私は作曲活動の為に白の家に来ていた。いい匂いだ
「うへへへへへへ完成したら黒も喜ぶんだろうな〜」
「言っておくけど曲を作るのだって最低だって2、3週間ぐらいかかるんだからね。」
「そんなにかかるのか」
「たりめーだ、なんなら凝りに凝り始めたらもっとかかるぞ、まあただ今回は元のメロディーがある分早く済むかもしれないけど」
「へー」
「へーじゃないよ、なんで今家にいると思ってるの」
「え?なんで?」
「さっさと妹ちゃんからどんな曲か録音してこいよ!」
「あっそうか!聞いてくる!」
白はものすごい勢いで階段をかけおりていく...
「ふぅ...良かった...白がいる時にやっちゃうとドン引きされちゃうからね」
私は白のベットに寝っ転がり布団にくるまり枕に顔をうずめる
「すぅぅぅはぁぁぁすぅぅぅはぁぁぁ」
鼻の穴から幸せの匂いが身体全身に行き渡る......
「幸せぇ〜KANAME☆HAPPY☆HAPPY☆」
「ああ〜さいっこぉ過ぎる...身体にハクアシロニウムが溜まっていくわぁ......」
〜***〜
「しろしろしろ♪まっしろしろ♪さぁ〜♪どうし〜よ〜♪この気持ちは♪止まんないの♪止められないよ♪ららら♪
こんな感じかな...」
ピッ
「録音終了!ありがとう!」
「あの...お姉ちゃん?流されるままに歌ってみたけどこれなに?」
「あーあのね、あれなの!あれであれだからそーなの!それじゃ!」
「え?」
私は猛スピードで階段を駆け上がる。
今作曲のことがバレるとヤバイ...これはあくまでサプライズなんだもんバレちゃダメだバレちゃ
ズタダダダダ
「はー突然お姉ちゃんどうしたんだろ?まあいいか、とにかくあの曲を私用に書き直さなきゃなんだし、頑張りますか...」
〜***〜
「要〜」
ヤバ!もう帰ってきた!白なら結構長話してくると思ったのに!こうなったら!
「要流2000の隠蔽法 ホテル仕事で培った高速ベッドメイキング!!!」
説明しよう!要は中学校時代に白に一目惚れしたその時から彼女が将来どんなとこに行っても支えて行けるように2000の技を習得していたのだ!ちなみにホテル仕事で培った高速ベッドメイキング は1246番目の技だぞ
ベッドから飛び降り急いで布団を畳み綺麗に元の位置に戻し作曲活動してるかのように装う。
「要ー!録音したよ〜これ聞いて〜!」
「おっちゃんと撮ってきたか!早速聞かせて」
「うん!」
少...淑女視聴中
「ほぉ〜」
「どうよ!なかなかでしょ、うちの妹!」
「お前の妹、歌うますぎないか?」
「でしょでしょ、いっつもカラオケで100点ばっか取ってるし」
「なんか聞いてるだけで頭からメロディとかコード進行とかどんどんわかっていく。正直これがアカペラとか信じられないほど上手いぞ、いっそ歌手とかアイドルに向いてる」
「いやいや照れますな〜」
「いやお前の事じゃねーよいやお前も大概そんくらいはあるわけだけどさ」
「そ〜言われると急に恥ずかしくなってる。」
いやほんとに驚いた。姉の白が恐ろしいぐらい歌が上手いんだから(実際1番白の動画で伸びが良いのは歌みたなんだしよく急上昇にも乗る)妹ももしかしてとは思っていたがこれまでとは本当に...
「これなら早めに終わるかもしれん早速コード進行から初めて行くわ」
「コード進行?」
「伴奏の骨組みみたいなもの」
「1から作るの?」
「いいやつ引っ張ってくる、もう大体作り尽くされてるし今更オリジナルとか無理な話よ絶対被る」
「そんなもんなんだねぇ」
「そんなもんなんだよぉ」
まあ中にはそれでも凝りに凝りたいって人は何とかかぶらないものを作るらしいが、私じゃ無理だな
〜***〜
あれから3日ほどたち、私はコード進行を選び終え音とメロディーの制作に取り掛かっていた
{ねえねえ...結局どれぐらいで完成しそー}
スマホのスピーカーから天女のような麗しい声が聞こえてくる。そう白だ
私は白とビデオ通話をしながら音を作っていく。
「そうだねー今はもう貰っているサビの部分からやってるから...まああと10日はかかるかなぁー」
{結構大変なんだねぇー}
「私はシンセサイザーで作ってるからねー」
{シンセサイザー?}
「組み合わせ次第でピアノとかオンガルとか色んな音を出せる楽器音楽を作るならこれが1番ポピュラーかもね最近は、まあ音を自分で作んなきゃ行けないんだけどね」
{じゃあピアノっぽくお願い!}
「はいはい」
は〜〜〜幸せかよ!幸せもんだこりゃ!
こんな毎日白とお話できるなんて幸せが過ぎるよ!
「そうだ作詞の方はどうなの?」
{ああ!結構進んで1番はもう決まったよ!明日見せる?}
「おねがーい!」
よしよし...明日も会う口実ができた...このまま私に頼りっぱなしにするんだ!
そうすれば...ふへへへへへへへへへへへ
〜***〜
「どうよ!この歌詞!」
「なんか...ちょっと...可愛いすぎない?」
「可愛いすぎない!?なんでなんでなんで!」
「いやなんか...白が今すっごくデートしたいんだろうなーってことはわかった、今度デートしてあげるね」
「だってデートだよ?私彼氏とかいたどころか告白すらされたことないし...なんでだろー?結構男子に仲良く接してた記憶あるのに...」
「ほんと私も中学の頃からそこだけが不思議だったんだよねー」
まあ白に唾つけようなんていうドグサレゴミクズ脳なし猿どもは私からみっちりお話したからだけど...
「まあでも...可愛いからいいか」
「結局良いのかよ〜さっきは可愛いすぎって言ってたのに〜」
「白はなんぼ可愛くてもいいからね」
「なにそれ〜」
他愛もない会話を続ける...ついに次からは地獄の作業だ...でもやり遂げなきゃ行けない!だって私は白の親友だから!
〜***〜
「ふぅ〜」
小さく息を吐き覚悟を決める、作曲作業はあらかた終わった。次は...ミックス作業だ。
実のところを言うとミックス作業がいちばん難しい...
作曲はある程度音楽理論というルールに従っていればいいのだが、ミックスはそうはいかない。
ないのだ...正解が
分かりやすくこれが正解的なものが無いため人によっては何週間もかかる過酷な作業だ...
「違う...こうじゃない...」
通話しながらなんて出来ない...ほかの音に邪魔されたらこの作業は絶対に終わらない...
「違う違う違う違う違うこういう感じじゃない...」
何回も...何回もやってると...耳が狂っていく...耳がぐちゃぐちゃに歪んでいく。
「〜♪〜♪〜♪」
似てる曲調の一般的なミックスを探し、聞いて、寄せて、納得いかなければまた変えて...音が狂う、歪む、歪になっていく
「今日はもうダメだ」
切り上げてベッドに横になる。
「初日からこんなんじゃダメだ...」
〜***〜
「違う!こうじゃない!」
タイミングが全然合わない!
〜***〜
「これで...出来た...」
〜***〜
「なんか...こうじゃないんだ...」
狂っていく耳を治す為に休まない行けないせいで上手く進まず怒りがますますこみ上げる、1回上手くいったと思っても日をまたげばダメだとなることもある、上手く妥協点を決めなければ行けないなのに...
〜***〜
「ああ〜ダメだ〜」
授業後私は死んだ様に倒れ込む...
「大丈夫?」
「うん全然大丈夫〜!」
「そうは見えないんだけど、ほんとに?」
「うんほんと大丈夫だって」
「ごめん...」
「え?」
「きっとそんなに疲れてるのは作曲作業のせいでしょ?
だったら今のその疲労具合は私の責任だし...」
「違うよ!私が無理やりこだわってるだけ!」
「だとしても!私のためにこだわってくれてるんでしょ?だったらそれは私の責任だよ。」
違う....むしろ白には感謝してる...本格的な曲を作る機会をくれたのだから...私を白の役に立たさせてくれるのだから
感謝しかない...
「強情だなぁーじゃあさ、白が決めてよどんな感じするか...」
「え?」
〜***〜
「じゃあ再びお邪魔します。」
幸せな匂いが辺りを包む《楽園》
そう、私は白の部屋に来ていた。
「今から私が作った候補を白に聞かせるから1番のいいのを選んでよ」
きっと私じゃ妥協点を見つけられない...でも!白なら!
白はただ静かに音楽を聴き続ける...楽しむように...吟味するように...
そして...
「要...私はさ...よく分からないんだけど、あの時黒が歌ってた曲に近いのはコレだった。」
私はそこトラックを聞く...
瞬間、目の前が滲む、涙が出てくる。
既に世界はあった。
その感動が私の心を包み、幸せにする...
「...したぞ...完成したぞー!」
私の喜びの雄叫びが白の部屋中にこだましたのだった。
〜***〜
「まっしろしろしろ!」
「.......レコーディング完了!」
「やっと終わった...まさかここに1週間もかかるとは思わなかった...」
「確かに...」
でもこれで完成した。
「あっ曲の名前!」
「あ!」
「どうしよう...」
「う〜ん?なんならそこまで黒に聴くべきだったなぁー」
「真っ白な喜び」
「え?」
「あ!ごめん忘れて!名前なんて私が介入して良いりょうぶんじゃなかったよね!」
完成したせいで無駄にテンションが上がってしまった。これはそもそも白と妹2人の曲なんだから私がでしゃばるべきところじゃないんだ
「そんなことないよ!」
「え?」
「だってこの曲作るの一番頑張ってるくれたの、間違いなく要のおかげなんだよ?」
「わたしの...おかげ?」
「そう!これは私と黒の曲じゃない、要と黒と私の曲なの!だから要が曲名を決めるのだって何もおかしくないよ!」
「えへへへ、そっかぁ...」
おかしくないんだぁ...
自然と目頭が熱くなってくる
「そっかぁそうなんだぁ」
「え?なんで泣いてるの?」
「大丈夫だから大丈夫〜泣いてない〜」
「いや明らかに泣いてるよね?大丈夫?」
「大丈夫ぅ〜」
そっか、私、本当に白の役に立てたんだ....
〜***〜
「はい!アップロード!」
「......え?」
「どしたの要?」
「ちょっと白これみて!」
要は白にパソコンの画面をみせる...そこには
「Vデビューからの速攻歌手デビュー?これがどうしたの?」
「この曲...なんか似てないか?真っ白な喜びと」
「確かに名前は真っ黒な悲しみだし...何より、これこの曲のアレンジみたいな感じがそれも黒バージョンでの」
「そして最後にこの配信者の名前見て」
「え?」
そこには完全に想定外の名前が載っていた
「黒....羽?」
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